機関誌第5号「AMFNEWS」 -003/007page
AMF CURRENT RIP 潮目の海
FUKUSHIMAのさかな
fish in FUKUSHIMA by Sinya Yamauchi
「ふくしまの海」の展示エリアには、飼育が困難なサンマやサヨリをはじめ、福島県沖に生息する生物を10槽の水槽で展示しています。今回は、春、福島県の沿岸で漁獲されるイカナゴを紹介します。
イカナゴは、イカナゴ科の海水魚で大きくなると全長25cm程になります。
沖縄をのぞく日本列島沿岸の砂泥底に分布し、夏季に水温が上昇すると砂の中に潜って夏眠するおもしろい習性をもっています。
なお、イカナゴという和名は、カマスの子と区別が付きにくいため、「如何なる子か」という意味でイカナゴ(如何子)と名付けられたといわれています。現在 展示しているイカナゴは、今いわき市沿岸で行われている船曳網漁に乗船して採集したものです。
イカナゴを飼育してみると、壁面が青色の水槽では壁面に向かって泳ぎ続け、弱って死んでしまう個体が多く見られました。
そこで、これは壁面が外の光を反射することが原因と考え、壁面を黒色に代えました。そして外からの光を遮光し、水槽中央に照明を設置したところ、壁面に向かって泳ぐことがなくなり餌もよく食べるようになりました。
このような工夫をしてイカナゴの飼育はなんとか可能になりました。
しかし展示水槽の一面は観覧用ガラスです。イカナゴがガラスに対してどのような反応を見せるかは実験してみなくてはわかりません。オープン3ヶ月前、展示水槽の準備ができると、さっそく予備水槽で飼育していたイカナゴを搬人しました。
するとイカナゴはガラスへ向かって泳ぎだしたのです。このままでは危険なため、急いで水槽内に水流をつけて安定した遊泳をするように工夫しました。
また、観覧面に人が来ると驚いてパニック状態になるためマジックミラー効果のあるフィ