機関誌第7号「AMFNEWS」 -002/007page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

AMF CURRENT RIP 潮目の海

クラゲのおはなし

Jelly Fish Story

ハナガサクラゲ
▲ハナガサクラゲ(刺胞動物)
淡水クラゲ目 Order Limnomedusae
ハナガサクラゲ科Family Olindiasidae
学名 Olindias formosa(Goto)

カブトクラゲ
▲カブトクラゲ(有櫛動物)
カブトクラゲ目Order Lobata
カブトクラゲ科Family Bo1inopsidae
学名 Bolinopsis mikado Moser

 皆さんはクラゲと言われて何を思い浮かべるでしょうか?
 「刺す」、「大量発生して発電所を止める」、「中華料理の材料」、最近では「癒し系」などではないでしょうか。
太古の昔よりその姿をほとんど変えることなく、約10億年という歳月を生き抜いてきたクラゲたちの姿を見るとき、さまざまな思いを抱くことができます。

 クラゲは大きく分けて「刺胞動物」と「有櫛動物」の2つのグループに分けられ、さらにその中でいくつかのグループに細分化されています。
俗に言う「刺すクラゲ」は、刺胞動物に分類される仲間です。
この仲間は、カサの周りにある触手に「刺胞」という毒針を発射する器官をミサイルランチャーのようにたくさん持ち、この毒針でエサとなる生物を捕らえています。

 しかし、クラゲたちはエサを選んで捕らえているのでなく、触手に触れるものすべてに刺胞を打ち込んでしまいます。この触手に人間が触ってしまったとき、「刺される」のです。
「刺胞動物」に分類されるクラゲはすべて「刺す」のですが、クラゲの種類によって毒の強さに差があり、また、体質によっても毒の感じ方が違うので、刺されていても気づかない種類もあります。「有櫛動物」に分類されるクラゲは刺胞を持っていないので、刺されることはありません。
クラゲは、その約90%以上が水分でできているゼリー状の体を持っています。このため、展示する際に水槽内の流れが強すぎると、体がちぎれたり壊れたりしてしまいます。
かと言って水流が弱いと水槽の底に沈み、そのまま腐って溶けてしまいます。
このため、クラゲの展示水槽では、クラゲの種類ごとに水流の強さ、方向にとても気を使う必要があります。

 現在日本近海からは約250種のクラゲが確認されています。アクアマリンふくしま3階のオセアニックガレリアでは、そのうち4種類のクラゲを展示しています。
今後、さらにさまざまな種類のクラゲたちを展示し、内容の充実を図っていきたいと思っています。

(環境展示課 水谷 精一)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権はふくしま海洋科学館に帰属します。
ふくしま海洋科学館の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。