福島県植物誌 -050/483page
I〜Vは常在度階級,+〜5は中央値平均をプロン・ブロンケの被度階級で示して ある。
表12 ケヤキ林の組成(樫村 1974より改変) 林
床
型チ
ャ
ボ
ガ
ヤ
ク
ル
マ
バ
ソ
ウ林
床
型チ
ャ
ボ
ガ
ヤ
ク
ル
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ソ
ウ調査林分数 9 13 調査林分数 9 13 高木層 低木層(続) ケヤキ V 4 V 3 ツリバナ IV 1 III 1 ミズナラ II + I 1 コマユミ IV 1 II 1 トチノキ I 1 II 1 アブラチャン V 1 IV 3 ク リ I + II 1 ハイイヌガヤ III 1 II 1 ホウノキ ・ ・ III 1 ヤマモミジ II 1 III 1 亜高木層 イタヤカエデ II + II 1 ムラサキシキブ III 1 ・ ・ ケヤキ II + I + アブラチャン III 2 II 1 オオバクロモジ I + II 1 アワブキ II 1 I 1 草本層 サワシバ II 2 III 1 テイカカズラ III 1 I + ケヤキ II 1 II 2 ジュウモンジシダ III 1 I 1 ヤマモミジ II 1 II 2 アブラチャン ・ ・ II + 低木層 ハイイヌガヤ III 1 III 2 チャボガヤ V 3 ・ ・ td align="left"> クルマバソウII + II 1 ハナイカダ III 1 I + ツタウルシ II + II + である。いずれもうっそうとした森林で,林床にはチャボガヤが密生している。両温泉街のしっ とりとした落着きは,このケヤキ林に負うところが多い。また,福島県自然環境保全地域に指定 されている相馬郡新地町の鹿狼山,いわき市田人町の御在所山なども,その植物景観の主体はケ ヤキ林である。
6)ハンノキ林
低凹地は,地下水位の高さや更新の良否によってさまざまの植生が成立する。水位が高く水の 更新がよくない所ではヨシ沼沢になるが,水位が低く,ある程度の水の更新のある所ではハンノ キ林が成立する。会津盆地には,かつてはかなり規模の大きいハンノキ林が見られたようである が,戦後の食糧増産に伴う水田開発によってほとんど姿を消した(吉岡 1954a)。
小規模のハンノキ林は,しかし,あちこちにみられる。猪苗代湖周辺や裏磐梯などにもその例