福島県植物誌 -053/483page
ブランケット湿原は西北ヨーロッパの大西洋側に発達する気候的極相としての泥炭湿原。地形 的に発達する高層湿原と異り,斜面上部まで泥炭層が発達する。単純である。
福島県内ではあまり規模の大きなヨシ沼沢はみられない。猪苗代湖の北岸一帯に拡がるものが 代表的である。裏磐梯にもあちこちにみられるが,その多くは高層湿原への発達途上のものであ る。
ロ)低層湿原
低層湿原は,前述のように,泥炭層の発達がわるく,富栄養の地下水の影響下にあるものであ る。水田の前身であった自然にはこのタイプの湿原が多かったと思われるが,現在では自然のま