福島県植物誌 -059/483page

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表14 浄土平の火山植生

















 





 
調査植分数 12 9 7 9
メイゲツソウ V 2 I + ・ ・ ・ ・
ヤマハハコ II 1 II 1 ・ ・ ・ ・
ヤマタヌキラン I 1 I 1 ・ ・ ・ ・
イワカガミ I + II 1 ・ ・ ・ ・
マルバシモツケ IV 1 III 1 I + II 1
ミネヤナギ III 2 III 1 II 1 III 1
マンネンスギ I + III 1 ・ ・ ・ ・
イソツツジ ・ ・ II 1 ・ ・ ・ ・
ススキ III 1 IV 2 ・ ・ II +
ウマスギゴケ ・ ・ IV 2 ・ ・ ・ ・
ヒカゲノカズラ ・ ・ II 1 ・ ・ I +
キツネヤナギ ・ ・ II 1 I + I +
ネバリノギラン I + III 1 I + II +
ヒメスゲ II 1 IV 1 III 1 II 1
シラクマノキ II + III 1 I + II 1
ガンコウラン IV 2 V 2 V 3 III 2
ミヤマネズ I + II 1 III 1 ・ ・
シラネニンジン I + I 1 IV 1 II +
クロマメノキ II 2 II 1 V 3 IV 1
ゴヨウマツ I + II + V 1 III 1
コケモモ ・ ・ 1 II 1 II 1
エゾリンドウ I 1 III 1 II + IV 1
チシマザサ I + ・ ・ ・ ・ V 3
ハクサンシャクナゲ I + ・ ・ ・ ・ II 1
シモフリゴケ ・ ・ I + ・ ・ II 1
ヒロハノコメススキ ・ ・ ・ ・ ・ ・ II 1
ミツパオウレン ・ ・ ・ ・ ・ ・ II 1
イワオトギリ ・ ・ ・ ・ ・ ・ II 1
ハナゴケ I +II 1 ・ ・II +
コガネギク III 1 I 1 II + III 1
コメススキ III 1 III 1 III 1 III 1
各植生型の立地的特徴の概要: メイゲツソウ型;火口に近い礫地, ウマスギゴケ型;火口に近い凹地, ゴヨウマツ型;火口から遠い風衝地, チシマザサ型;火口から遠い積雪凹地

V 半自然植生

 福島県の山野は,他県の場合と同 じく,人間による利用が古くから盛 んであり,現存植生の多くはその影 響を強く受けて,本来の自然植生と は違った様相をみせている。人為の 第一は林木の伐採である。日本人が 用いる燃料は,今でこそ外来の化石 エネルギーないし鉱物エネルギーで あるが,つい最近までは野生の樹木 を利用していた。そのため,自然林 はひんぱんな伐採を受け,ひんばん な萌芽更新をくり返した。このため, 保水性の高い富栄養の表土は失わ れ,貧栄養乾性の土壌におきかえら れた。

 また,弥生以降盛んになった水稲 栽培は,国家規模での水田開発をも たらした。水田そのものは湿原地帯 に開発されたが,水田耕作には多量 の水を必要とする。そのため,湿原 本来の自然給水だけでは間に合わ ず,堰と称するばう大な集水機構が 建設された。このため,山野の多く が乾燥化の傾向を深めたものと思わ れる。

 こうして,自然林本来の植物のう ち,湿潤を好み,富栄養の条件下で


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