自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -015/042page

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体験レポート

 「自然のふしぎ・ゆめ研究講座」を受講した子供達の、学校での栽培の様子・声などを、指導されたクラスの先生方 に、レポートして頂きました。

■郡山市立白岩小学校・5年生 作って食べよう・ぼくらの農業体験!

 「食べられるものを作ってみたいね。」、「やったことないものがいいなあ。」体験的な学習をさせたいと思いつつ、 専門的な知識がなかったり、場所や設備に余裕のない学校の活動のなかで、県農業試験場の「自然のふしぎ・ゆめ研究 講座」の募集はたいへんありがたいものでした。参加の希望がかなった後、子供たちと何を作ろうか相談をし、普段た んぽで見ていても育てたことのない「稲」、見たことすらない「こんにゃく芋」を栽培し最後には、精米やこんにゃく 作りまでやって食べてみようということになりました。
 方法としては、1普通に植えた稲と直まきの稲の生長の比較、2コシヒカリとヒトメボレといった品種による生長の比較、3コンニャクイモの肥料による成育の違いの比較というやや欲張った計画となりましたが、農業試験場での 綿密な準備に支えられて、活動がスタートしました。
 1人ポット1つの稲と、肥料の量を変えた土の入ったプランターにコンニャクイモを植え、農業試験場から学校に持ち帰りました。観察記録は、1週間に 11枚書くということにし、記録もたまっていきました。直まきの稲も、夏休み 前には、他の稲と同じくらいまで育っていました。コンニャクイモの方は、見たこともないような模様の付いた茎と葉を茂らせ、順調に育っていました。夏休みには、自分の稲を持って帰り育てることにし、コンニャクは1週間に1度、 近所の子が水くれにくることに決まって夏休みに入りましたが、順調だった生長にここで変化が起きました。8月に入って雨が多かったために、3分の1のコンニャクイモが、腐ってしまったのです。夏休みが終わると、倍以上に大きくなった稲を持って子供たちが登校して来ましたが、コンニャクの様子を見て不安になり、今まで以上に真剣に様子を観察するようになりました。改めて、食べられる作物を作る難しさを感じたようです。稲の方は、大きな問題もなく、やや出穂時期が違う程度でどの稲も花を咲かせ、穂を実らせることができました。
 いよいよ収穫。摺り鉢や一升ビンという原始的な方法での楕米に取り掛かりました。時間のかかる作業でしたが、子供たちの、「1粒も無駄にすまい」とする姿にこちらが驚かされました。苦労して作った米の味はいうまでもなく、大満足の試食会になりました。コンニャクは、農業試験場の方に教えてもらいながら作って食べましたが、市販のコンニャクとは比べものにならないおいしさで、子供たちは、これまた大感激でした。
 こういった体験的活動を通して身に付けたことは、教師側で意図した以上の成果がありました。作物の作り方のみならず、そこに携わる人の苦労や食物の大切さなどを知り、沢山の実りある顔となりました。また、最後まで目的を持って続けた活動によって、自分たちでやり遂げる幸びも味わうことができ、それ以降の学習や生活の中での大きな力となりました。
(レポート:5年担任 後藤 淳子)


夏休みあけ大きくなった稲
(左コシヒカリ 右ヒトメボレ)
「ボクのほうが大きいぞ!」

コンニャク作り
コンニャク作り
「コンニャクできたよ!」


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