自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -017/042page

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■郡山市立行健小学校・5年生
庄内米に負けない米づくりに挑戦!

水の量はこのぐらいかな?
▲苗植え
「水の量はこのぐらいかな?」

 第5学年の社会科では、「我が国の食料生産」について学習します。その中で、庄内平野の米づくりについて勉強を始めた子供たちは、その生産量の多さに驚きました。山形県内で消費される量だけでなく、全国各地に流通している庄内米の量の多さに驚いたのです。その米の量を金額に直すと、ものすごい金額です。子供たちの追究の目が輝きました。どうすればこんなにたくさんの米を収穫することができるのだろう。子供たちの追究が始まりました。その中で、「ぼくたちも、米づくりをしてみたいな」、「庄内米に負けないようなお米をつくってみたいな」という思いが膨らんできました。しかし、学校には米をつくれるような田んぼはありません。そこで、「イネのポット栽培」に取り組むことにしました。
 本校は、郡山駅の北側にあり、学区内は住宅地がほとんどで、田畑も限られています。したがって、家が農家という子供は一人もいません。農家の仕事を経験したことがある子供は、ほんの少しです。そのような子供たちが、庄内米に負けないような米をつくることができるのでしょうか。
「品種によって、収穫量は変わるんじゃないかな」、「ビニルハウスの中でつくれば、たくさん米がとれると思うよ」、「植える本数を増やせばいいんじゃないかな」など、グループごとに計画を立てました。
 そして、いよいよ5月22日、農業試験場の先生方に来校していただき、土づくりから苗植えまでを行いました。土を直に触る経験も久しぶりで、子供たちも楽しく活動することができました。10cmあまりの小さな苗からどのくらいの米がとれるのだろう、子供たちの期待と不安が高まります。水をたっぷりいれ、教室のベランダに並べました。5年生のベランダは立派な水田のようです。
 観察を続けていくと、いろいろなことに気がつきました。「先生、品種によって葉の色が連うよ」、「水がすぐになくなってしまうよ。たくさん水をすっているんだね」、「1本しか植えなかったのは、背丈は伸びているけど、なんとなく弱々しいな」など。夏休み前には、丈が50cmをこえるほどに生長しました。夏休み中は、ベランダから校舎の玄関前に引っ越しをし、1日も休まず水やりをしました。
 夏休み中の苦労のかいがあって、2学期が始まった頃には穂が出てきました。そして、いよいよ収穫です。その一粒のもみをとってみると、白い米が顔を出しました。子供たちは大喜びです。庄内米には及びませんでしたが、自分たちで米を作ることができた喜びを味わうことができました。
 この体験を通して、植物が生長し結実するまでの様子や、農家の人の苦労について学ぶことができました。そればかりでなく、自分たちが毎日食べている食料について考えるきっかけになったようです。
                               (レポート:5年3絹担任 嶋 忠夫)

秋の収穫
秋の収穫
「こんなにたくさんのお米ができたよ」


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