自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -019/042page

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すごいでしょ!
「すごいでしょ!」

 観察を続けていくと様々なことに気付いていきます。そこから話し合っていく中で、「古代米は、沼や湿地で育てられていたから、穂が水に漬からないように背が高くなったのではないか。」、「花の咲く時期の違う品種を作ることによって、その土地の気候に合った栽培ができるのではないか。」、「さらにおいしいものをたくさん生産するために多くの努力が払われている。」などを実感していきました。
 秋。子供たちは収穫の喜びを味わいました。今年は、雀の害にあうことも少なく、多くの収穫がありました。ジャガイモは、校庭で行ったキャンプファイヤーで焼いて保護者の皆さんとおいしくいただきました。子供たちは、自分たちが作ったもので喜んで貰える喜びを感じました。サツマイモと米は、どの様に調理しようかと相談中です。
 今回「ゆめ・ふしぎ講座」に参加させていただいて、教科書だけでは学べない多くのことを学ぶことができました。やってみなければ気づかないことが確かにあります。最後に子供の作文から。「私たちは、何も特別なことはしていないのに、太陽と土と水の力をかりて.稲は自分で大きくなっていきます。私は、生きる力ってすごいなあと思いました。」
(レポート:6年担任 中野 みどり)

ポットイネの収穫
ポットイネの収穫
「うまいかな?」

■三春町立中妻小学校・5年生
土と肥料の力は大きいな

 5年生の1学期に「米づくり」について学習をします。教科書、資料集、図書室の本、パソコンなど、いろいろなところから「米づくり」について情報を入手することができます。しかし、実際に自分の事で稲を育てるという経験はないのが実状です。だから、自分の手で育て欲しいと思いました。「米づくりを少しでも体験的に学んでほしい。」この思いがありました。しかし、学校田はありません。そこで、本年度「稲のポット栽培」に取り組むことにしました。
 県農業試験場の取り組みの中で、こうしたことの支援をしていただけることを知り、アドバイスを受けながら、計画をたてました。一人−ポットで米づくりをするとともに、班ごとに「土の違いによる稲の生長の変化」と「肥料のあるなしでの稲の生長の変化」について取り組むことにしました。
 計画を立てから県農業試験場に行き、実際にポットに苗植えをしました。学校の周辺で見つけた土をみんなで協力して袋につめ持って行きました。試験場で話を聞きながら苗を植え、それからポットを持ち帰り昇降口の前の日当たりのいい場所にならべて育てていきました。基本的に管理は各人、各班に任せました。観察は、3週間に1度ずつ草丈、茎数、葉の様子等を中心に、定期的に学級全員で行いました。また、花や穂の様子等についてはその都度様子をみて行ってきました。個人のポットの生長は、さほど大きな差は無くみんなすくすく生長して行きました。自分の稲の茎の数が増えたり、茎丈が伸びると大喜びです。6月の後半ぐらいになると、茎数がすぐには教えられないぐらいに増えていて友だちと協力しながら数えていました。
 各班のポットについては、すぐに変化が現れてきました。特に土手の土とクロボク土では、1ケ月経っても肥料なしの方は一向に変化がありません。試験場で植えた時からほんの数センチ、数本生長したに過ぎなかったのです。その後もあまり変化せず、ついには、収穫時まで大きな変化がありませんでした。土によっても、また、肥料によっても生長がちがうことが分かる端的な場面でした。
 2学期が始まってから花が咲き、全員が稲の花を見ることができました。始めてみる児童も多く、感動を受けていたようです。しかし、収穫では、天候のせいか穂はつくものの中身の無いものが多くなってしまいました。結局、みんなでおにぎりにして食べるという計画は果たせませんでしたが、一粒一粒丁寧に数を数えていきました。
 この取り組みを通して、「米づくり」について貴重な体験ができました。また、教科で学習した内容と関連を持たせながら、自分なりに育て方を調べたり、生長の様子を記録したりと、児童の主体的に取り組む姿がみられました。
 (レポート:5年担任 米本 順一)

穂が出そろってきました
「穂が出そろってきました」


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