自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -021/042page

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■大豆よ育て!
 納豆にして食べちゃおう!(1年生)

 小学校に入学して毎日が初めて体験することばかりの1年生が、生き物を育てる最初の活動をしたのがこの「大豆栽培」でした。種をまくこと、世話をすること、観察することなどすべて新鮮な体験ばかりりでした。大豆は身近で、子供たちは大変興味深く(食べることが中心ですが)取り組むことができました。栽培を始めるときは、実際に農業試験場に行き、栽培計画を立てることから始めました。6種類の種をまき、育ち方、葉や花や実の違いなどを比較し、個人で観察しました。
 農業試験場で種のまき方の指導を受けた後、学校に持って帰り、ベランダで育てました。頂いた大豆の種は畑にまきました。管理は一人一人に任せましたが、観察は少し変化が起きた頃、だいたい10日に1回程度、観察シートに記入しました。観察していく中で、芽が出てきて、双葉になり、本葉が出てきて育ちに差が見られるようになりました。子供たちは葉が3枚ずつ出てくるのにびっくりしていました。
 途中、夏休みになり、個人の大豆は家庭に持ち帰りました。子供たちだけで観察するのはとても難しいので、家の人の協力を仰ぎました。茎の高さと葉の枚数を表に書き込み、変化が出たとき(花が咲いた、実がなったなど)に観察シートに記入します。夏休みが終わると、大豆について大変詳しく調べた子や、写真を振った子など(もちろん枯らしてしまった子もいました)もいて、みんな熱心に観察していました。自分の大豆にとても愛着を持って接していたようです。
 大豆の実が、学校の畑ではまだ小さかった頃、一人の子が大事そうに持っていた包みを「ばくの大豆だから、来年もまくんだ。」と話して見せてくれました。自分で育てて実にし、乾燥させた大豆でした。とても大切にしていたのですぐに家に持って帰りました。大豆になったのはその子が初めてでした。それをみて、今度は他の子が「わたしのは…」、「ぼくのは…」と、自分の大豆の状態や実のなり具合などを話し始め、周りは大騒ぎでした。
 とれた大豆は、話し合いの結果、納豆にして食べることにしました。納豆作りに決まると、自主的に本で調べたり、家の人に聞いたりする子が出てきてみんなやる気満々。作ったことがある家の人に敢えていただきながら作りました。発酵させている2日間は温度が下がらないように気を配りながら作りました。
 みんなで育て実にし調理したということで子供たちは大満足でした。
 最後に、一人一人が「大豆の育ち方」や「納豆の作り方」などを本や巻物にまとめました。自分たちで育て、収穫し、食べるという一つの流れの中で、植物の育ち方についてはもちろん、自分で育て作ることの楽しさ、最後までやり通す大切さが実感できたようです。春が来たらまた育てたい、別な種をまいて育てたい等、意欲的です。
(レポート:1年担任 時田 福子)

一年生の大豆
 一年生の大豆
「葉っぱは3つづつ出るんだね」

納豆づくりに挑戦
納豆づくりに挑戦
「ほかほかごはんで食べるんだ!」


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