自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -023/042page

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土がなくとも育つんだ!
  〜ミツバの水耕栽培(5年生)〜

 5学年では「植物の発芽と生長」・「花粉のはたらき」についての学習をしましたが、子供たちにとっては新しい発見の連続でありました。そんな折、農業試験場から「自然のふしぎ・ゆめ研究講座」のお話をいただき、子供たちは興味津々で参加しました。ペットボトルだけで植物が育つのだろうか?土がなくても植物は育つのだろうか?など、子供たちの興味は尽きることがありませんでした。
 農業試験場の方々に説明を受けながら自分たちの手でペットボトルを加工するところから始まりました。自分たちの身近にあるものを使って研究ができる、自分たちの手で道具が作れる、という気安さも子供たちが研究を継続することができた要因でした。帰りの手中で、自分の栽培セットを大事そうに抱える姿がとても印象的でした。
 学校に帰り、全員で栽培の注意点を話し合いました。
・養液が足りなくなったら補充できるように毎朝確認する。
・観察の記録にはスケッチ・気づいたこと(考察)・予想、の3点を記入する。
・穴から10本以上のミツバがでたら間引きする。
 この3つのことに注意しながら栽培・観察を進めました。その日の生長の記録を取り、次の予想をたてる。毎日観察を続けていくうちに、自然事象を科学的な視点で観察することができるようになってきたことは、この研究の大きな成果でした。
 観察を進めていくと、自分たちの手では解決できない問題も出てきました。葉の色が変わっているのは病気にかかってしまったからなのだろうか?どうすれば治るのだろうか?そんな時、定期的に学校を訪れてくださる試験場の方々の指導は、とても有効でした。
 銀色と透明のペットボトルの比較実験では、多くの子供が「透明のペットボトルのほうが日光をたくさん吸収できるので大きく生長する」と予想していました。しかし結果は、銀色ペットボトルのミツバの方が3cm位大きくなりました。
これには驚いたらしく、どうしてそうなったのかを自分なりに予想を立てた後、試験場の方にその理由を聞いていました。
自然(植物の生長)の不思議さを十分に体験することができたようです。
 栽培が終わると、子供たちから、水が汚くならないように、藻が発生したらすぐ掃除をすればよかった、休み中は家に持って帰って観察をすればよかった、などの反省点が出ました。これは、子供たちの中の「身近な植物を慈しむ心」がより大きくなってきたことのあらわれだと思います。
 ほかの植物でもやってみたい!子供たちからこのような意見がたくさんでました。子供たちの中に芽生えた自然を愛 する心を大切にしながら、今後も自分たちでできる「自然のふしぎ・ゆめl研究を続けていきたいと思います。
(レポート:5年担任 五十嵐 洋之)

ミツバの水耕栽培
ミツバの水耕栽培 「こうやって、発芽させたんだね」

ミツバの水耕栽培
ミツバの水耕栽培 「どうして"も"がはっせいするの」


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