自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -024/042page

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イネのバケツ栽培・よくばり知識

■モミ(イネの種子)を手に入れる
 4月の初めに、モミを手に入れよう。モミは、 一般の園芸店などでは売ってないんだ。ほんの少 しの量なら、知り合いの農家の人に頼んでみよう。 できれば、いろいろな種類をもらってみよう(モ ミは消毒してあるので、絶対食べないで!)。農家 に知り合いがいなかったら、農業試験場に連絡し てみてね。

■まく前の準備
 モミをバケツにまくのは、4月の末ごろ。まく 日をまず決めてしまおう。まく日の10日前にな ったら、準備をはじめるよ。
 まず、塩を水に溶かし、「卵がやっと浮くくらい」 の濃さの塩水を作る。そこに、モミを入れてかき回し、 沈んだモミ(これが「よいモミ」)だけを取り出 して、水でよく洗う(必ず洗うこと)。
 このモミを、茶碗やどんぶりに入れて、たっぷ り水をそそぎ、部屋の中に10日おく。こうして、 モミに水をたっぷり吸わせるんだ。水は、毎日必 ず交換しよう。

■モミをまく
 栽培に使う土は、畑や山の土なども使えるけど、 農協などで売っている「イネ用の育苗用培土」か、 農家の人にたんぼの土をわけてもらうのがよい。 育苗用培土は、肥料入りなので、化成肥料はまぜ ない。4ページの図のような方法で、土と肥料を 混ぜ、モミをまいてみよう。バケツに、最初から 土と肥料を入れてしまうと、うまくかき混ぜられ ないと思う。一度、袋に移すとうまくいくよ。
 それからモミを10粒ほど、深さ1cmくらいに 埋めるんだけど、くれぐれもそれより深く埋めな いように。それからコップ1ぱいほどの水をかけ、 部屋の中の日なたに置く(外に置くとスズメに食 べられてしまう)。毎日観察して、土の表面がい つも湿っているように、水をやる。1週間ほどた つと、小さなイネの芽が出てくるよ。

このくらいの間をあけて、うめていく

■芽が出てからのせわ
 イネが3cm以上になったら、元気のよいイネ だけ3〜4本残して、あとは引き抜いてしまおう(間 引き)。そして外の日当たりのいい所に出そう。 このとき注意するのは、夜は真っ暗になる所に置く、 ということ。夜でも明るい街灯の下や、職員室の ベランダなどにおくと、米がとれなくなることも ある。
 イネは水が大好きだから、葉の先が水面に顔を だすくらい、水をたっぷり入れよう。毎日見て、 水を切らさないようにする。特に、イネが大きく なる夏は、毎日、どんどん水がへってくる。水を くれぐれも切らさないように。そうしないと、米 がとれなくなったり、枯れたりするよ!
 夏休訓こ入ったらすく、肥料をあげよう。化成 肥料を、ペットボトルのキャップに半分ぐらい、 土の表面にパラパラッとまいてやるだけでいい。 こんな風に、育っている途中で肥料を・追加してや ることを「追肥(ついひ)」というんだ。

■見のがすな、イネの花!
 8月にはいるとクキがだんだん太くなってきて、 イネの「穂」が顔をのぞかせる。これを「出穂(し ゆっすい)」というんだ。この出穂の時期は、イ ネの種類・その年の天候・栽培方法などで違って くる。よく観察してみよう。
 イネの穂には、「モミ」がたくさんついている。 この「モミ」が割れ、「おしべ」が飛び出すのが、 「イネの花」で、穂が出た次の日あたりには、も うさき始める。朝の9時頃からさき始め、お昼ご ろには「モミ」がとじて、花は終わってしまう。 1つの穂のモミが、全部さきおわるまでは1週間 くらいかかる。夏休み中だから、注意して観察し よう。

イネの花


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