自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -025/042page
■穂が出てからのせわ・注意
とにかく、スズメには注意!面倒だけど、枠を作って ネット(園芸店で売っている)を張り、その中にイ ネを入れて守ろう。
それと、風にも注意!イネのクキが折れてしまったら、 実りが悪くなるよ。なるべく風の当らない所におこう。 今までと同じく、水は切らさないようにね。■さあ、収穫だ!
青かったモミの、9割ぐらいが黄色くなったら、いよ いよ収穫だ!だいたい10月10日過ぎぐらいに収穫でき るはず。
穂だけを切り取ってたばね、雨の当らない所に2週間 ほどぶら下げて乾かす。穂をとった後の葉やクキが「わ ら」だ。昔の人は、これで「なわ」や「わらじ」を作 ったりしたんだよ。今は主に、「堆肥」の材料にした りする。そうそう、タタミの中にもこの「ワラ」が入 っているよ。■モミすり、精米
穂からモミをはずし、スリ鉢に入れ、野球のボール(軟 球)で、ゴロゴロっとこすると、モミがむけて「玄米(げ んまい)」が出てくる。この作業を「モミすり」って いうんだ。
さあ、ここからが大変。玄米をビンに入れ、木の棒 で気長につつく。そうすると、玄米の皮がむけ、白く なってくる。この白いものが、みんなが良ペている「白 米」。なかなか白くならないけれど、根気が勝負!こ の作業を「精米(せいまい)」というんだ。あとは、 食べるだけだよ!■観察のポイント
地ぎわから、一番高い葉の先を引っ張って、どの 位の長さがあるか(草丈)、クキは何本になっている か(5ぺージの図を見よう)などを、日を決めて調べ よう。また、穂のでた日、バケツごとの玄米の重さ も記録しておき、比べてみよう。■おもしろ実験
栽培の方法を色々変えてみて観察の結果を比べて みよう。
○いろんな品種にチャレンジ
イネにはいろいろな種類(品種)がある。郡山市の 近くで作られているのは、コシヒカリ、ひとめぼれ、 初星、など。品種の違いを観察しよう。
○土の種類を変える
砂・たんぼの土・畑の土・花だんの土など。
○イネの数を変える
間引きをする時、残す本数を変えてみよう。
○肥料の量を変える
肥料をまったくやらない、2倍にしてみる、など。
○パケツを置く場所を変える日があたる・あたらない
夜が明るい・暗い、など。■農家では…
農家では苗(1ヶ月くらいピニールハウスで育てた 小さいイネ)を、5月中旬ごろ、機械でたんぼに植える(田 植え)。みんなも、苗が手に入るなら、バケツに田植 えしてもいいよ。間引きしたものをすてないで植えて もよい。
せわのしかたも違う。農家では、イネの育ちくあい と天気を見ながら、水を多くしたり、入れなかったり、 肥料をやる時期や量を変えたりする。7月の初めごろ「中 干し」といって、たんぽに水を入れずからからに乾か すんだけれど、これをバケツイネでやったら大変。枯 れてしまうよ。
みんなは、なにをするにも「手」でやるけど、農家 ではすべて機械を使ってやるんだ。肥料をまいて土に 混ぜるのは「トラクター」、田植えは「田植え機」、 稲刈りは「コンバイン」、モミすりは「モミすり機」。 一度に広い面積でイネを作るには、機械はなくてはな らないものなんだよ。