自然のふしぎ・ゆめ栽培講座 -034/042page

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■なぜ・なに質問箱

Q.作物が育つには、何が必要なの?
A.植物は、光を、成長するためのエネルギーに変えるすごい仕組みを持っているよ。まず「光」は必要。 それから「水」・「空気」・「暖かさ」が必要なのは、人間と同じ。「肥料」は、作物の食べ物だ。
 でも、この「必要なもの」が、「バランスよく」与えられたとき、初めて作物は健康に育つこと ができるんだ。種類によって、そのバランスも違ってくることも、お忘れなく。たとえば、イネは、 暑さ・強い光・水が大好き。コンニャクイモは、暑さは苦手だ。サツマイモは、肥料と水がありす ぎるとイモができなくなってしまうこともある。トマトは光が大好きだ。ミツパは、水が好きで、 強い光はいらないよ。

Q.「野菜」と「作物」、何が違うの?
A.国語辞典で調べると、両方とも同じ様な意味で、違いはわからない。でも専門家は、その植物の どの部分を食べるのかによって、大まかに使い分けている。熟した実を食べるものが「作物」で、熟 していない実や、実以外のところをたべるものが「野菜」。ホウレンソウは野菜、米は作物だ。
 味噌や豆腐の原料になる「大豆」と、ピールのつまみになる「エダマメ」。これ、実は同じ植物 の実なんだけど、十分熟した実を食べる大豆は「作物」で、まだ若い実をもいで食べるエダマメは「野 菜」。

Q.どうして畑に直接タネをまかないの?
A.植物は、タネから芽が出て、大きくなる。なのに、この本を見て分かるとおり、たいがいの作物 は畑に「苗(芽が出た後少し大きくなるまで育てたもの)」を植えて育てる。どうしてタネを直接畑 にまかないんだろう。イネなんかは、この本ではバケツに直接種をまくようになっているけど、普通 は苗をビニールハウスで育てて、少し大きくしてからたんぼに植えるんだ。
 これには、いろいろな理由があるんだけど、一番大きな理由は、タネから芽が出たばかりの小さ いうちは、雨や風・暑さや寒さに弱いので、守ってやる必要があるからなんだ。ピニールハウスの 中などで守りながら育て、少し大きく、強くなってから畑に植えるんだ。人間だって、赤ちやんの うちは大事に育てられるよね。

Q.畑の使い方.注意点を教えて下さい。
A.土がふかふかで、水はけの良いのが良い畑だ。でも毎年少しづつ努力しないと良くならないよ。
 畑で何かを栽培すると、畑の土に必ず「疲れ」がたまる。何もしないと疲れがどんどんたまる。 その疲れをとって、土を元気にさせる方法を教えよう。年に1度は必ずやっておくことがある。まず、 1メートル四方あたり「堆肥」をバケツ1杯、「クド石灰」を−つかみまく。それから、なるべく 深く畑を耕すこと。このとき、作物の根や草なんかは、ていねいに拾って、畑の外に出しておこう。 栽培が終わった秋に、畑への感謝を込めてやるのがベスト。春先でもいいけど、その時は、栽培を 始めるまで1ヵ月以上間をおくこと。
 畑で何か栽培するときは、まず、肥料をまいて土を深く耕すんだけど、この作業は、種をまく・ 苗を植える少なくとも2週間前までにやっておくこと。肥料を土になじませるためだ。
 多くの作物は、毎年同じ場所で作ることができない。たとえ作っても、よく育たないよ。これを「連 作障害(れんさくしょうがい)」っていうんだ(サツマイモなど、同じ場所でもまあまあ作れるも のもある)。毎年、畑のどこで何を作ったのか、記録しておこう。


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