明日をひらく試験研究成果 -020/040page
果樹の省力栽培技術
今日の果樹栽培は、栽培者の高齢化や担い手の減少による労働力不足が大きな問題となって います。果樹栽培は、管理作業のほとんどが手作業によるため、機械化しにくく、省力化を進 めるには、樹形や栽培方式を改善することが最大のポイントとなります。
このため、消費者が求める品質の良い果実を生産しながら、効率的で省力的な栽培方式を確 立することが望まれています。
そこで、従来の樹形を抜本的に見直し、省力的かつ効率的な新しい樹形の開発に取り組んで います。
1、モモの省力型樹形の開発
モモのY字棚を利用した樹形は、作業の単 純化による作業効率の向上と生産の安定をね らいとしています。
2、ナシの波状棚を利用した作業環境の改善
従来の平棚仕立てから、約30度に斜立した 波状棚で仕立てることにより、作業性の改善 が図られ、かつ樹の生育の改善をねらいます 平棚仕立てによる上向き作業は、作業者にか なり負担となるため、ナシ栽培者からも強く 改善が望まれています。
3、不織布ポット利用によるリンゴの低樹高仕立て
不織布ポットを利用した根城制限により、 地上部の生育を抑制し、高所での作業を少な くして省力化を図ります。密植栽培による5 期多収も期待されます。
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4、オウトウの平棚仕立ての開発
高木性のオウトウを平棚で栽培する ことにより、作業性が格段に改善され、 果実生産の安定化が期待されます。ま た、雨除けハウスも従来より低くなり、 危険性の高いビニール被覆作業もより 安全になります。