明日をひらく試験研究成果 -030/040page
マツノザイセンチュウ抵抗性育種事業
マツノザイセンチュウにより甚大な被害を受けた森林の中から、健全に生き残っているアカ マツやクロマツを候補木として選び出し、接ぎ木で苗木を増やし、人為的にマツノザイセンチュ ウを接種して抵抗性があるか否かを調べます。調査の結果抵抗性を持つ木があれば、種子を採 るための採種園を造成し、苗木を育て、被害を受けた森林に植林し、松林をよみがえらせるこ とができます。
接種後8週間を経過すると抵 抗性のないマツは枯れてしま います。全国的にも抵抗性確定率は、僅かに0.41%であり、選抜は難しいのですが、本県ではこれま でに抵抗性候補木としてアカマツ145本、クロマツ88本を選抜し、そのクローン苗にマツノザイ センチュウを接種して、アカマツ5本が一次検定に合格しています。(残念ながら二次検定には クローン個体数の不足などから到達していませんが、現在は接ぎ木技術の克服などにより試験 が順調に運ぶようになりましたので、その結果に期待をしています。)