水産試験場要覧 -005/011page

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調査船上
 

 本県は、北からの親潮系と南からの黒潮系水が拮抗する域であり、沿岸域を中心に多種多様の漁業が営まれている。また、多種の回遊性魚類の来遊がみられる海域である。
 いわき丸(200t)と拓水(30t)の2隻の調査船は、魚場調査、浮魚・底魚の資源調査、海底環境調査、海洋観測、漁具漁法の改良技術開発、卵稚仔調査、 漁礁効果調査などの調査研究を行っている。
 操業の効率化を図るため、特に、サンマ、カツオ・マグロ類、ツノナシオキアミなどの回遊性魚種の魚場形成に影響を及ぼす水温、塩分の測定やネットによる卵稚仔の採集、操業試験などから海況漁況情報を 漁業関係者に提供するとともに、生態調査や魚場形成要因の解明とその予測技術を確立する必要がある。
 沿岸の水産資源は、漁獲の圧力が過大になりやすく資源の減少が懸念される。水産資源の持続的な利用技術の確立のため、幼稚魚の保護を目的とした選択漁具等、漁具の 改良に関する技術の開発の研究も進めている。
 また、沿岸域の魚場・育成場造成として漁礁設置が行われているが、漁礁設置海域の適地選定調査、漁礁への付着生物量や有用魚種の蝟集状況などの漁礁効果及び管理技術も重要な課題である。
 さらに、資源管理型漁業の推進、沿岸漁業経営の改善のために、魚価の動向、操業形態などを把握し、適切な経営プランの検討にも取り組んでいる。
調査用具(1)
調査用具(2)
網
調査船
(会津若松市、会津若松観光・物産両協会編)


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