福島県水産試験場研究報告 第10号 - 034/073page

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から全体への誤差の影響は小さいと考え、1983年〜1994年の5年魚の来遊尾数の平均値とした。但し、卓越年級群と認められるときは、5年魚に大きなズレも生じる危惧がある。

 6年魚は、有意な相関が年魚間に認められなかったので、1983年〜1994年の6年魚の来遊尾数の平均値とした。また、総来遊尾数に占める6年魚の割合は、約2%程度であることから、予測値への誤差の影響は小さいと考えられる。

表7

表8

 従来と新たな予測手法による来遊尾数換算予測値と実績値について、表8に示す。各々の換算予測値と実績値の偏差をみると、両者の予測傾向は類似していない。

 また相対比率では、1987年〜2000年の平均では従来が102.5%、新たな手法が104.5%、その範囲は従来が61.6〜131.2%、新たな手法が77.6〜145.5%となった。この相対比率比較では、従来の方が若干予測精度が高いとも考えられるが有意な差ではなかった。

 一方、稚魚放流尾数は1983年から現在の5,000万尾台となり、給餌飼育した稚魚の放流が始まった。この稚魚放流群は1990年に6年魚として回帰が終了したので、現状の放流規模で比較する場合は、1990年以降のデータを用いる必要がある。1990年〜2000年の相対比率の平均は従来が105.0%、新たな手法が103.6%、範囲は従来が61.6〜131.2%、新たな手法が77.6〜145.5%となった。この比較では、新たな手法の方が若干予測精度が高いとも考えられるが有意な差ではなかった。


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