平成13年度 事業報告書 - 044/171page

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 しかし、実際に小名浜魚市場に水揚げされた平成12、13年級群は、それぞれ76t、74t(10月〜翌年3月までの漁獲量)で年級群別の漁獲量に大差はなかった(小名浜漁協、小名浜底曳網漁協の統計では、本種の小型魚をミズタラとして分類していることから推測できる)。本種の主産卵場として仙台湾が想定され、新規加入群の主な補給源になっているものと思われる。そのため、0才魚の分布状況を仙台湾から大きく離れた塩屋埼1定線のみの調査で把握することには無理があるものと思われた。

 ウ. エゾイソアイナメ
 ア)採集状況
  エゾイソアイナメは100、150、200、300、500m深で採集され、このうち100、150m深では採集数が多かった。

 イ)採集サイズ(図6)
 平成12年11月以降に全長50〜70oの小型魚がまとまって採集され始めた(便宜上、平成12年加入群とする)。この群の全長モードは、平成13年5〜6月が80〜90o、平成13年11、12月が90〜110m皿、平成14年3月が110〜150oに見られた。一方、平成11年に加入したと思われる群(便宜上、平成11年加入群とする)の全長モードは、平成12年9、10月が100〜110mm、平成13年7、8月には200o前後に見られ、平成12級群もこれと同様な成長を示せば、平成14年末には200o程度に達するものと思われた。実際に魚市場に水揚げされている本種の最小サイズは25cm前後であり、この小型群が当海域に出現してから漁獲加入するまでに2年以上を要することが推測された。

 ウ)分布密度(図7)
 平成11、12年加入群の分布密度は、平成12年加入群の方が大きく上回る。この群は平成14年末以降漁獲加入すると思われ、今後の漁獲量の推移を観察したい。本種の産卵海域は、伊豆諸島周辺から相模湾との報告があり、アオメエソと同様に本県海域で再生産を行っている

図6


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