平成13年度 事業報告書 - 117/171page
東京市場への年間入荷量は447tと福島の漁獲量に匹敵する。養殖魚の割合は不明、入荷量の月変動は比較的少なく、単価は12月が最高。
(3) その他の主な魚種
ア.メバル(図17)
東京市場への年間入荷量は386tと多い(福島漁獲量116t)。産地は青森56%、北海道15%、新潟8%、秋田6%、千葉4%、福島3%の順(福島での漁獲量の11%が東京市場に入荷)。入荷量は5〜7月に多く冬に少ない。単価は、5〜7月に低下するものの、他の時期は安定している。福島産単価は、全体を上回っている。日本海や北海道産のものには、ウスメバルやエゾメバルが含まれると考えられる。福島での月別漁獲量と単価の変化は、築地の入荷量と単価の変化とほぼ同じ動きをしている。
イ.ズワイガニ(図18)
東京市場への年間入荷量は1,246tと非常に多い(福島漁獲量136t)。産地は北海道49%、青森15%、宮城12%、東京9%、鳥取8%。福島からの入荷はわずか14t(福島での漁獲量の10%が東京市場に入荷)。北海道からの入荷は、夏場にもピークがみられ、築地への入荷もそれを反映している(ロシアからの輸入物も含まれていると考えられる)。北陸からの入荷は全くない。福島産単価は全体の半値以下であり、これは他の魚種と大きく違う点である。
ウ.鮮アナゴ(図19)
東京市場への年間入荷量は803tと多い(福島漁獲量386t:活魚含む)。産地は千葉21%、東京16%、岡山16%、大阪14%、茨城6%、兵庫6%、宮城3%、山口3%、福島3%の順(福島での漁獲量の6%が鮮魚として入荷)。入荷量の月変動は比較的小さく、単価は4、5月に高い。福島での単価も3〜5月に高く、東京市場の単価の動きと同様である。
エ.活アナゴ(図20)
東京市場への年間入荷量は3,316tと極めて多い(福島漁獲量386t:鮮魚含む)。産地は長崎36%、佐賀10%、宮城9%、兵庫9%、神奈川7%、千葉6%、愛知6%、山口4%、東京4%、福岡2%、福島2%(福島での漁獲量の16%が活魚として入荷、鮮魚と合わせて22%が入荷)。鮮魚と違い、九州からの入荷が卓越している。月別入荷量、単価とも大きな変動はないが、鮮魚と同様に4月の単価が最も高くなっている。なぜ、東京から距離的に遠い九州からの活魚の入荷が多いのかは調査が必要。また、鮮魚と活魚との産地が違うことも特徴。
オ.アンコウ(図21)
東京市場への年間入荷量は805tと多い(福島漁獲量282t)。産地は北海道15%、青森14%、千葉12%、福岡10%、東京8%、大阪7%、山口7%、新潟6%、神奈川5%、宮城3%、福島3%(福島での漁獲量の7%が東京市場に入荷)。入荷は冬に集中しており、単価も冬に高い。福島の漁獲は冬だけでなく単価が低下する3〜6月にも多く、この時期の漁獲が非常にもったいない。
カ.アイナメ(図22)
東京市場への年間入荷量は159tとあまり多くない(福島漁獲量192t)。産地は北海道39%、岩手21%、青森20%、福島7%(福島での漁獲量の6%が東京市場に入荷)。入荷量は5月を中心に多く、単価は3月、9月に高いが、これは福島での月別漁獲量と単価の動きに同調している。
キ.サヨリ(図23)
東京市場への年間入荷量は333tとやや多い(福島漁獲量41t)。産地は福岡20%、千葉18%、宮城16%、茨城8%、愛知7%、兵庫6%、神奈川5%、福島2%(福島での漁獲量の16%が