平成13年度 事業報告書 - 118/171page

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東京市場に入荷)。入荷量は冬から春先に多く、6〜10月は極端に少ない。月別入荷量の変動に対して単価の変動は小さい。

 ク.シラウオ(図24)
  東京市場への年間入荷量は143t(福島漁獲量11t)。産地は青森21%、茨城17%、北海道14%、静岡10%、福島9%(福島での漁獲量の118%が東京市場に入荷していることとなり、漁獲量以上のものが入荷していることになる)。入荷量は2〜4月及び9〜12月に多く、単価は1〜4月に高くなっている。福島では単価の安い9〜11月には漁獲しておらず、経済的な漁獲をしているといえる。

 ケ.鮮スズキ(図25)
  東京市場への年間入荷量は1,479tと多い(福島漁獲量172t:活魚含む)。産地は千葉27%、東京19%、愛媛18%、大阪15%、神奈川6%、福島3%(福島での漁獲量の25%が東京市場に鮮魚として入荷)。入荷量は夏場に多く、福島産単価も夏場に高くなっている。これに対して福島での漁獲は、単価の極端に安い冬場に多くなっており、非常に不経済な漁獲実態になっている。

 コ.活スズキ(図26)
  東京市場への年間入荷量は674tと多い(福島漁獲量172t:鮮魚含む)。産地は千葉39%、神奈川18%、東京12%、三重9%、愛媛7%、福島7%(福島での漁獲量の27%が東京市場に活魚として入荷、鮮魚と合わせると52%が入荷)。このことから、スズキの出荷先としては東京市場は極めて重要だと考えられる。月別入荷量と単価の動きは鮮魚と同様であり、福島での冬場の多獲は非常に不経済である。

 サ.ホッキガイ(図27)
  東京市場への年間入荷量は999tと多い(福島漁獲量1,941t)。産地は福島54%、北海道20%、青森12%、茨城6%(福島での漁獲量の28%が東京市場に入荷)。月別入荷量、単価とも非常に安定している。福島産単価は、福島が禁漁期の2〜5月(他道県からの買い付け物)には全体を上回り、他の時期には全体と同じかやや下回る。

(4) まとめ

 県内の仲買人からは東京市場への出荷は、量は捌けるが、儲けでの旨味は少ないと言われてきた。統計をみる限り、常磐ものに対して他の地方(特に北海道)から出荷されるものは量が多く、単価は安い傾向があり、常磐ものは単価だけでは太刀打ちできない。今後、これらの資料から流通戦略を検討すると共に、資源管理分野にも活かしていく必要がある。


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