福島県長期総合教育計画41/4-001/330page

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第1章 本県社会の変ぼうと教育

本県教育の課題を考察するにあたって、教育の基盤である本県社会の将来を展望する必要がある。

 とくに、わが国の工業化の進行と県勢振興計画の実施とによって、本県の社会はその基盤において

も、また実態についても、歴史的な変ぼう期にある。事実としての本県の推移との対比において予想

される本県社会の将来を展望し、発展する本県社会が教育になにを要請するかをあきらかにしたい。


第1節 県勢振興計画の推進

本県は、関東経済圏に隣接し、東北の関門としての位置をしめ、面積は(13,780km2)、全国第2

位の広さを有している。県内は、阿武隈高原と奥羽山脈によって、浜通り、中通り、会津の三地域に

わけられ、それぞれ気候、地勢など自然景観は様相を異にし、産業、社会、文化も特色を持っている。

 会津は、奥羽山脈によって中通り、栃木県と境し、越後山脈によって群馬、新潟に接し、飯豊山地に

よって山形県と隣接し、会津盆地とこれを包む山地とから構成されている。気象的には裏日本型に属

し、冬季は豪雪地域になっている。この自然的条件から農かな水資源を有する只見川水系は猪苗代湖

とともに、わが国第一位の電源地帯となっている。豊かな水資源は会津盆地の農業用水として利用さ

れ、本県最大の穀倉をつくっている。広大な山地は、豊富な森林資源と未開発鉱業資源を蔵してい

る。また、地理的条件からへき地が多く、経済格差も大きい。中通りと境している奥羽山脈は、那須

火山帯に属し、この活動によって猪苗代湖、檜原湖をはじめ尾瀬沼などの湖沼、温泉、景観にとむ山

岳、渓谷が多く、只見水系の電発地域、古い文化財などの観光資源にも恵まれている。

 中通り、阿武隈川水系の流域に広がり、南は関東経済圏につらなり、奥羽山脈と阿武隈山地とによ

ってはさまれ、南北に伸び、北は宮城、山形に接している。この縦谷は、北に福島盆地、中央部から

南部にかけての郡山盆地を形成し、他は丘陵性の地域となっている。中通りは、関東経済国と東北と

をつなぐ交通動脈となっている。中通りは、阿武隈水系と猪苗代湖の水をひく安積疎水、羽鳥ダムの

完成などによって豊富な水資源を有し、農業用水、工業用水として利用されて、郡山盆地、福島盆地

の農業の発達を促し、内陸工業地を形成している。丘陵性の阿武隈山地は、林産資源も豊かであり、

奥羽、阿武隈両山地の周辺部は、古くから養蚕、たばこ、こんにゃくなどの特産物の適地であった

が、原野の広がりは、酪農地域としての発展性、果樹地帯としての適地となっており、多彩な発展が

期待される。また阿武隈山地の石灰岩など豊かな地下資源もある。観光資源もまた多い。


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