福島県長期総合教育計画41/4-002/330page

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浜通りは、南は関東経済圏にまたがる常磐炭田から、太平洋沿いにひろがり、北は、仙塩工業地帯

につらなっている。中通りとの境をなす阿武隈山地は、双葉地区では海岸近くまでせまり、狭い海岸

平野になっているが、南部にはかなり広い海岸平野が開け、北部も海岸平野はかなり発達している。

海岸線は、単調であるが、南部の磐城地区は小名浜港など良港をつくる変化があり、北部の原釜附近

も松川浦など出入がみられる。気象も内陸型の中通りとはことなり、海洋性の東日本型気候帯となっ

ている。阿武隈山地は、石灰岩、銅などの地下資源もあり、白亜層に含む石炭、天然ガスも豊かであ

る。中通りとともに、関東経済圏と東北をつなぐ交通動脈である。とくに南部は、関東経済圏と密着

し、小名浜港を軸とする臨海工業地帯として、本県工業化を推進している。北洋、三陸沖、近海漁場

をひかえ、また南方漁場をも持つ太平洋岸の開発ものぞまれる。海岸平野と丘陵地には、温暖な気候

に恵まれ、農業の発達を促している。

 このような立地条件のもとにおいて、恵まれた諸条件を伸長させる産業開発につとめてきたが、ま

だ後進性をみとめざるを得ない分野が多い。

 わが国の工業化の進行にともなって、労働力の豊か

な本県から県外への人口流出が、つづいている。ま

た、本県の産業構造は国のそれと比較して後進性がつ

よい。

 第1図によってみると、第一次産業のしめる構成比

が、国のそれと比べてかなり大きい。第一次産業の構

成比が小さくなる傾向はみとめられるが、国の減少に

はおよばない。

 本県の農家戸数(昭和35年171.176戸)は、全国11

位、農家人口(1,11,338人)ば6位、稲の作付面積

(132,800ha)は8位、収穫量(480,000t)は4位で全

国屈指の農業県である。また、林野面積(954,241ha)

は、全国第二位をしめている。このように、農林業が

本県の基幹産業であったことが第一次産業構成比の減

少を困難にしてきたものであろう。

 第二次産業の生産所得構成比は、国の増加の急速で

あるのに比べ、本県の増加のテンポは、きわめてゆる

やかである。製造業の事業所数(昭和37年7,057)は、

全国24位、従業員(99,26、)は、全国第24位をしめ

ている。工業出荷額(29年167,031百万円)は、全国26位にとどまっている。

 事業所は、小規模(昭和39年1〜3人42.1% 4〜9人34.4% 10〜19人11.1%)の事業所が、

第1図 産業別、生産所得構成比

産業別、生産所得構成比


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