福島県長期総合教育計画41/4-016/330page
拡大する必要があるといわれている。農業機械化の農業基盤づくりや農業経営も他産業と同じような
企業としての経営合理化が、要求されることになるものと考えられる。さらに、このような農業の機
械化は、伝統的な農村社会の様相もかわり、個人の意識、行動様式から家族生活も激変させることに
なろう。
技術革新は、また、化学工業の飛躍的な発展を促したが、これらの製品が、大量に農村に流入し、
化学肥料、農薬は、万年豊作といわれる現象をもたらしている。
品種改良、飼料の化学的配合など、技術革新は、農業のすべての領域で、大きな、しかも急速な変
化を促している。
この動向は、今後、いっそうつよまるものと考えなければならない。とすると農業従事者の資質
が、今後の農業近代化を効果的にするか、どうかにひびくことになろう。
(4)農業就業人口の年齢構成と農業後継者
農業就業者の男女別、年齢階層別の構成状況を示したのが、第20図である、
第20図 就業者の男女別年齢別構成 (35.10国勢調査による)
農業就業者の男女別構成をみると女子(250,698人、55.4%)は、男子(201,732人、44.6%)より
圧倒的に多く、農業就業者の女性化が目立っている。昭和25年における女子の構成比は、52,7%であ
ったのに比して、構成で2.7%の増加を示している。工業化の進行にともなって、昭和35〜50年度間
に67,000人が他産業に大量に転職することが見込まれているが、男子の離農転職者が、中年層に多く
出ると仮定すると、女子の比重はさらに大きくなることになろう。
年齢階層別にみると、30〜34才が男女とももっとも多く、年齢の多くなるにつれて減少している。
また、30〜34才を境にして、年齢の若くなるにつれて、人数は減少している。30〜34才をピラミッド
の基底として、上下に2つのピラミッドをあわせた形に近くなっている。これは、農業後継者となる
若年労働力が、きわめて不足していることを示している。若年労働力の不足は、とくに男子に目立っ
ている。この現象は、逆に女子の増加に拍車をかける結果となり、農業の女性化が、さらにおし進め
られている。