福島県長期総合教育計画41/4-017/330page
農業近代化のテンポがおくれれば、脱農、兼業、農家出身子女の他産業進出が多くなり、農業人口
の老齢化、女性化がすすみ、技術革新をともなう農業近代化のテンポは、鈍化し、ひいては本県産業
や社会の調和ある発展を阻害することにもつながると考えれる。
本県農業近代化推進の若いエネルギーとなる農家の子弟の中学校・高等学校卒業後の状況をみる
と、第21図のとおりである。
第21図 農家の子弟の卒業後の状況
農家の長男のうち中学校卒業後直ちに農業に従事する者は、わずか19%で、56%の者は、高校に進
学している。高校に進学した農家の長男のうち、農業に従事した者は、その42%にすぎない。農家の
長男のうち、中学校または高等学校卒業後農業の後継者となった者は、48%程度と推定される。約半
数は、その他の産業に就職したことになる。長男以外の男子、または女子が、不足を若干補ってい
る。
このまま推移するものと仮定すれば、中等教育年齢人口の減少傾向と相まって、農業に従事する若
年労働力は、さらに不足し、30〜34才を基底とする逆ピラミッドは、高さの低いピラミッド形の形成
をはやめることになり、農業近代化推進をつよく阻害することが考えられる。
農業後継者の育成確保が、現在そして今後の大きな問題である。
以上、手もとの資料をもとに本県農業の推移と今後の見通しを概観し、課題の二、三をとりあげて
みた。これらの課題意識にたって、本県農業の教育への要請をまとめてみたい。
(1) 農業の近代化は、他の産業の動向に深くつながっている。本県経済の動向をつねには握し、そ
の中で農業はどうあるべきか。農業の実態、課題を広い視野からみるとともに、具体的な立地条