福島県長期総合教育計画41/4-036/330page
が、第二次、第三次産業の就業者の学歴は、中等教育卒、高等教育卒の比重が、大きくなってい
る。この資料のみから速断することは当を得まいが、第35図にみるとおり、本県の産業が第二次、
第三次産業の構成比を大きくしていくには、県民の資質が、はたしてどんな位置にあるかを見きわ
め、適切な対策がもとめられよう。
第一次産業者の資質が、第15表の学歴構成にみるような比重でよいかどうかは、別の問題であ
る。むしろ、第一次産業の近代化こそ、もっとも高い資質を持った就業者によって、他産業以上の
困難な課題を解決されねばならないであらう。
産業の発展は、就業者の資質向上をともなわなければ、期待できない。とくに技術革新を軸とす
る急激な産業の高度発展を企図する本県にとっては、すべての産業の就業者の資質向上が、最大
の問題である。資質の向上は、直接、県民のひとりひとりの生活向上にもつながることは、いうま
でもない。
第36図によって、本県就業者の学歴構成の全国との比較と地域別の実態をみることにする。
全国平均との比較からみると本県の就業者の学歴構成は、かなり劣っている。初等教育卒以下と
前期中等教育卒業者との構成比は、全国平均より大きい。しかし、後期中等教育卒と大学卒との構
成比は、全国平均よりかなり小さい。本県は、労働力供給県として、県外に流出する人口は6〜7
万人台を示しており、中卒、高校卒のいわゆる学卒者の流出が、すでにみたとおり、学卒就職者の
第36図 地域別・就業者の学歴構成 (昭35)