福島県長期総合教育計画41/4-050/330page

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が、消費支出指数はもっと

も低く6位である。もっと

も消費支出指数の低い本県

のレジャー指数は、東北六

県中もっとも高い指数を示

している。

 教養娯楽費のうちレジャ

ー費が大きな比重をしめて

いることが推定できよう。

 文化的な生活にかかわる

教養娯楽費の合理的な支出

が課題となると思われる。


第52図 生活水準の地域差指数 (38年)

生活水準の地域差指数


7 消費の量的拡大と教育への要請

 大衆消費時代といわれる消費の増大は、県民所得の上昇、技術革新をともなう新製品の大量生

産、民主化の進行による意識の変革などの要因に支えられている。このような大量消費の積極面と

して、民主化、平等化の推進、教育水準の向上、生活水準の向上などが考えられるが、消極面の問

題は、急速な消費の増大という事情も加わり、社会に大きな変革をもたらし、人間形成上に多くの

問題をなげかけている。その最も大きいのは、伝統的な価値観の崩壊であり、しかもこれにかわる

価値観がまだ安定していないことからくる混乱期にあるといわれることである。

 ここでは、消費の増大と教育について項目的に例示をこころみることにしたい。

(1) 大量消費は、他の要因ともかみあって、他人志向型の性格を形成する。個人を動かす原動力

 は、個人の内部に内在化された価値によって判断して行動するというよりは、仲間や友人、マス

・コミ、世論などといった外部の他者に依存することになる。このような環境においては、自己

 との出合いや内面化の機会は乏しくなり、人間として自己の判断にもとづいて行動するという主

体的立場は失なわれ、人聞疎外にもつながる。消費革命は巨大な時流ではあろうが、消費を人間

生活向上に奉仕させる主体的准立場にたつ人間形成が一つの問題であろる。

(2) 消費の増大は、その社会生活において、生産の場よりは、消費生活(私生活)に比重がかかっ

てくる傾向がある。また、物質的生活に傾斜し、消費をたのしむ生活が重視される傾向がつよく

なる。これを裏からいえば、共同社会の一員としての義務観や社会道徳は軽視され、われわれの

 社会をよりよくしようとする社会理想への志向は、私生活への雪崩的傾斜をおこし、人間らしい

真善美といった価値追求は、かげをうすくする傾向がみられる。

本県社会の近代化をになう県民育成上の問題の一つであろう。

(3) 都市の人口が、都市に集中することによって、集中以前にもっていた個有の伝統、習慣、信念、


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