福島県長期総合教育計画41/4-051/330page
信仰などを脱落させ、画一的な平均化された都市人口になっていく。このような現象は、人間疎
外に発展する。この要因は、工業化にともなう労働の質の変化、大量消費、マス・コミの普及、
教育の普及などによる大衆社会によるものであろうが、人間形成上見のがせない課題であろう。
(4) 生活水準の向上につながる消費の増大は、教育水準の向上への要求をつよめる。とくに、社会的
地位の配分が教育機関のしごとになるという傾向からの教育関心の増大は、いわゆる学歴偏重と
軌を一にするもので、この風潮は是正され、正常な教育関心がもりあげられねばならないだろう。
(5) 消費の増大は、余暇の健全活用や家族生活にも大きな変革をせまってる。人間形成における
余暇の問題、家族のあり方からみて一つの問題となろう
第10節 マス・コミュニケーションの普及
技術革新は、報導伝達機関の改革と発明を生みだし、地理的距離を短縮した。テレビ、ラジオ、新
聞、雑誌、書籍、映画、広告などにより大量の情報、意志を大衆に伝達するいわゆるマス・コミが急
速に普及し、大衆の生活に大きな変革をもたらしている。ここでは、このマス・コミの推移と見通し
について概観したい。
1 テレビの普及
テレビの大量生産と県民の所得上昇、消費意識の変革、宣伝、信用販売などの諸要因から、テレ
ビの普及は急速に進展した。第53図によると昭和38年のテレビ普及率は52%であったが、昭和40年
には82%に急増している。
市部の普及率は、郡部より
高いが今後市部の普及率に近
づくものと考えられる。
地域別にみると産業近代化
率の高い県北、郡山、常磐地
区の普及率がたかい。
テレビ視聴人口資料が手も
とにないが視聴人口も急増し
ているものと考えられる。
第54図はテレビとの接触状
況を示した青少年白書掲載の
資料であるが、これによると、
平日で、30分それ以下から5
第53図 テレビ普及率の推移と地域別実態 (1964青少年白書)