福島県長期総合教育計画41/4-054/330page
いるが、観察数は3億7千万人で、国民1人当り4回映画館
で映画を見ている計算である。観客確保の商業広告は、一つ
の問題であろう。
広告は、新聞35.8%ともっとも大きな広告経費であり、つ
いでテレビの32.2%、その他屋外広告などが21.7%、雑誌、
ラジオの順になっている。
広告に支出された経費は3,440億円で、広告の大量化が推
定できよう。
業種別に広告に支出された経費をみると機械器具がもっと
も多く、薬品医療品、食料嗜好品、図書、金融保険、百貨
店、化粧品、雑品、映画演劇、衣料品、繊維品、交通運輸の
順になっている。広告技術も進み、消費者心理の研究も深め
られ、その影響は大きい。
マス・コミに対してどんな態度をもっているかをみる資料として、第27表をみると、週刊紙のど
こをおもしろく読んでいるかとの問に対して、写真、グラビア(28.8%)がもっとも多く、ついで、
スポーツ(15.6%)マンガ(15.2%)小説(11.5%)、映画評など(8.9%)実話もの犯罪もの
(7.3%)ゴシップ(4.6%)の1項になっている。
第26表 主に読んでいる週刊誌 (1964 青少年白書)
週刊平凡、週刊明星 24.4% 女性向きのもの 18.3 スポーツ誌 11.8 少年向きのもの 10.5 新聞社で出しているもの 9.6 雑誌社で出しているもの 4.1 芸能実話もの 1.9 時事解説 9.5 その他 1.5 とくにない 2.1 不明 1.5 週刑誌をよまない 36.0 計(M.T) 122.2 第27表 週刊紙のどこをおもしろく読んでいるか (1964青少年白書)
写真、グラビア 28.8% スポーツ 15.6 マンガ 15.2 小説 11.5 映画評、書評 8.9 実話もの犯罪もの 7.3 ゴシップ 4.6 身上相談 1.7 表紙 1.4 広告 1.2 その他 0.9 不明 2.5 週刊誌をよまない 36.0 計(M.T) 138.2
4 マス・コミと生活
マス・コミュニケーションは、大量の視聴者読者の目や
耳の代役となって、文化や娯楽をつたえ、意見や態度形成
のはたらきをしている。すでにみたように、日常生活をみ
ても、テレビ、ラジオ、新聞、書籍、雑誌、広告などが、
くもの巣のようにはりめぐらされ、これらの助けをかりな
ければ、ほとんど一日たりとも生活をつづけていくことは
できない程である。マス・コミュニケーションが、準環境
といわれているとおり、人間生活にあたえる影響力は、報
道技術の革新によって、きわめて大きい。
マス・コミの形態は、あたえ手が一方的に、うけ手であ
る大量の視聴者に対して機械装置をとおして、同時に、情
報や意志をつたえている。
伝統的な閉鎖的社会においては、地域特有の文化財がつくられ、また独自の生活慣習や態度をも
つこともできたが、マス・コミの普及によって、あらゆる地域の人びとも、年齢や職業などの差異
にもかかわらず、マス・コミの受け手となることによって、平均的なものに地ならしされてしま