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第55図 地域開発の拠点となる広域都市の分布
広域都市は、交通機関の発達、道路の整備などによって地域の経済、文化の中心となって、大量
の人的、物的交流が増加することになろう。
産業の発展と生産の合理化によって労働の質的変化がもたらされ、人間は生産機構のなかの歯車
的存在となり、全体的な見通しを失って不安定な心理状態におちいる層が多くなろう。また、産業
の合理化は、管理事務やセールスのような直接生産にたずさわらない割合に知的水準の高い精神労
働者も増加すると考えられる。これらの層は、生産手段と全体的見通し、合理的な人間関係からも
切りはなされ、生産に向けていた価値志向から、消費に志向し、職場は単なるサラリーを得る手段
といった考え方にかわってきよう。
マス・コミの宣伝、広告による大量消費は、この傾向をさらにつよめることになろうし、さきに
みたようにマス・コミの普及は、人間を平均し、規格化する傾向などが見られ、これらが要因とな
って、いわゆる大衆社会が拡大され、このような組織に入らなければいきていけないような人間が
見いだされることになろう。こうした人間疎外現象が発生することが考えられる。
これらは、都市部の盛り場やデパート、娯楽場、スポーツセンター、観光地などに多く見られて
いるが、この傾向は、産業の発展にともなってさらに激化してくるものと考えられる。
3 伝統的社会の近代化
工業化の進行によって、伝統的な社会は、近代化の激浪にさらされる。農業地域を例として考え
てみたい。