福島県長期総合教育計画41/4-057/330page
科学技術の革新をともなう工業化の生み出した製品は、マス・コミの宣伝、広告によって農村へ
も大量に流入する。農村の耐久消費財の購入量はめざましい発展をしめしているのは一つの例であ
るし、農業の機械化、農薬の多量使用などにも見られる。
マス.コミの普及、大量消費の波及、都市との交流の増加などによって、都市と農村の間の生活
様式は平均されつつある。
産業構造の近代化は、生産性の格差解消を軸として農業構造の改善、営農の企業化、生産物流通
の合理化生産技術の革新などをせまってくるものと考えられる。自給自足体制から市場用生産
に、孤立的な分業の少ない状態から開放的な分業、協同化の方向に、伝統的伝承的な生産手段は、
機械力を用い合理的な方法にといった生産方法の近代化を中心に伝統的な意識、行動様式から近代
化の方向をたどらねばならない。
産業の近代化は急速に農村の経済状態を変ぼうさせることになろうが、人間の発達がこれにとも
なわなければ、農村社会に大きな混乱が予想され、農業の近代化そのものも渋滞することになり、
ひいては、本県産業の発展そのものに大きな影響が生ずるものと考えられる。
4 都市化病弊現象
(1)青少年の非行
家族の教育機能の低下、大衆社会などの社会環境、自主的な態度をなくした他人志向、大量消
費による消費への価値志向、マス・コミの商業主義、成人の社会的道徳の欠陥など青少年は混乱
した社会環境の中で生活している。この
ような社会の道徳的無政府状態は、青少
年の非行を増発させていると考えられ
る。
第56図は、少年非行の急激な増加を示
している。昭和36年ごろまではほぼ横ば
い状態であったが、消費量の増加した。昭
和38、39年のぐ犯、不良行為少年数は急
激に増加を示した。
自動車台数の増加は、少年の道交法違
反をも増加させている。
このようなひずみは、社会の変ぼうス
ビードのはやいことに伴って、さらには
げしくなるものと考えられる。
(2) 交通事故の増加
工業化の進行をもっとも身近かに感じ
第56図 ぐ犯不良行為少年・道交法違反少年数の推移