福島県長期総合教育計画41/4-069/330page
第2章 本県教育の課題
わが国工業化の進行と県勢振興計画の実施によって、県民生活基盤がどのような変化発展をたどる
ことになるか、その結果、県民の生活はその産業生活、家族生活、社会生活そしてより基本的な人間
そのものがどのように変ぼうするかについて概観してきた。ここでは県民生活の進歩発展が教育に何
を要請することになるかの見通しを整理し、これを視点として解決さるべき本県教育の課題のは握を
試みることにしたい。
第1節 進歩する本県社会の教育への要請
進歩する本県社会の教育に対する要請は、学校教育、社会教育、県民の生活に直結した教育機能を
随伴する教育行政以外の行政分野のすべてにわたっており、質的にもきわめて多様な問題を含んでい
る。また、本県社会の進歩は、首都圏、東北は勿論、全国的なつながりによって、さらには、交通通
信の発達にともなって世界的なつながりのなかで推進されている。この広い領域から教育への要請を
まとめることはよくなしうることではない。
ここでは、国の文教施策の方向と本県社会の教育への要請とから考えられる将来の教育像のうち主
なものだけについて、項目的にまとめてみたい。
以下の項目は、学校教育、社会教育を通ずるものとしてとりあげたものであるが、現代社会の推進
を担っている青少年、成人の資質向上をめざす社会教育の抜本的な拡充整備とこの層の主体的な継続
的自己教育による家庭生活、職業生活、社会生活の近代化実現への真撃な努力を抜きにして学校教育
は存立の機能を発揮しえないと考えられるし、社会の進歩も、県民の福祉も期待できない。社会教育
は、すぐれて重責を担っていると考えるものである。学校教育もまた期待される成人の継続的自己教
育の態度の基本を学ばせる一学ぶことを学ぶ一ことを再認識する必要があろう。学校教育と社会教育
との位置づけは、ひとりひとりの人間の生涯を通じての人間の成長という時系列的立場と現在生きて
いる社会の一員として相互に機能しあう横断的立場を人間と社会の進歩発展という軸で機能づけする
立場に立っている。
1 教育人口の変動に即応する教育的編成の改善
幼児教育人口の漸減とこれにつながる学校教育人口の漸減期にあたり、教育の質的充実要請に応
える学級編制基準の改善や就学の機会を拡充する必要があろう。