福島県長期総合教育計画41/4-076/330page
などによって就学に障害の生じている児童、生徒、すぐれた能力を有しながら進学の機会を持て
ない生徒、教育の機会を持つことを希望しながら環境の事情から、その機会を持てない勤労青少
年、心身の障害に応じた教育をうけられない特株児童、生徒などをあげられようが、本県の状況
は、全国水準より低いものが多い。教育の機会均等の確保と人材開発は、国も計画的に拡充につ
とめている。
急速な発展が予想される今後の本県にとって、就学援助、育英奨学、勤労青少年の教育、特殊
教育の拡充整備は、重要な課題となろう。
4 本県の地理的条件は、山間が多く、この地域の産業開発、社会開発は、格差が大きく、教育文
化もおくれがちで、いわゆるへき地を形成している。この地域の振興は、本県発展にとって重要
な課題である。教育の立場からみても、人的能力の開発、地域社会の後進性の克服、また社会正
義のうえからみても、へき地教育振興は課題である。
国は、へき地教育振興法など各種振興策を推進しているが、本県のへき地は、地域の広大なこ
と、市町村の財政事情から教育諸条件の整備充足度も低いこと、文化的環境に乏しいこと、生産
活動は農林業が主なものであるが気象的条件などもあり生産性の低いこと、したがって生活水準
向上の必要もあるなど広い領域から総合的な決策を強力に推進する必要がある。へき地教育の
振興における社会教育の比重の大きなことも注目を要する問題である。
5 社会の進歩は、後期中等教育に対する社会的、個人的要請を変化させ、中学校卒業後の15〜18
才の青少年のすべてが、なんらかの教育訓練の機会を持てるようにすることを求めている。国
は、昭和35年以来進歩する社会の青少年教育の拡充整備を重要施策としている。
とくに、能力、特性、進路、環境に即した教育訓練の多様化の必要が強く指摘されている。本
県の後期中等教育は、教育訓練の機会を持たない青少年の数においても、能力、適性、進路、環
境に応じた教育内容の多様化においても、解決されるべき課題が多い。
本県社会の進歩に即して後期中等教育の全領域にわたる再編整備は、中心課題となろう。
6 社会の進歩発展は、成人の継続的な自己教育をつよく要請している。社会の進歩に応ずる社会
教育、産業発展と社会教育、地域計画と社会教育など社会教育の重要性とあり方についての再検
討が要請されている。
本県の社会教育も、もっとも継続教育、自己教育の必要な階層に対し、望まれる教育内容を提
供できる社会教育の機会を確保することが課題となろう。
第3 社会の進歩に応ずる人間の発達と主体的態度確立の必要―資質の向上
1 技術革新をともなう産業の発展、消費革命の進展、マス・コミの普及、都市化の進行は、相互
に関連しながら、巨大な時流となって、人間生活の場である家族生活、仲間集団、学校教育、産業
集団、大衆社会など急激に変ぼうさせている。この変化した社会は、人間形成に混乱をおこして
いる。