福島県長期総合教育計画41/4-078/330page

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 要になろうが、幼時から生涯を通じてこれが伸長につとめる必要があろう。

3  科学技術の革新を軸とする工業化の進行は、社会の進歩によって支持されなければ、より一そ

 うの進展は期待されないといわれる。本県産業の飛躍的な発展も、社会の近代化も県民すべての

 科学技術的知識、技能、態度の育成いかんにかかっているといえよう。読み書きなどの文盲解消

 などからはじまった明治以来の教育は、科学技術時代の要請にもとづく、科学技術的文盲の解消

 を目標とする教育に脱皮し、合理的精神に徹し、創造的態度を身につけた近代社会にふさわしい

 資質をもつ県民の形成が、今後の重要な課題となろう。そして、この課題は、家庭教育、幼稚

 園、学校教育、すべての社会教育においてとりくまれねばならない。

4  産業の後進性を脱却し、第一次産業をはじめ第四次産業といわれる観光産業まで、飛躍的な発

 展を企図している本県にとっては、現に産業生活にたずさわっている成人層、勤労青少年を含む

 後期中等教育、中学校の技術家庭科教育の抜本的な産業教育振興が必要である。

  とくに、産業別の労働力需給の見通しや技術革新を軸とする産業技術の質的向上要請、産業生

 活向上への主体的な態度などの育成への要請に応える産業教育の量、質両面にわたる振興策が大

 きな課題となろう。

5  このようは期待にこたえる本県科学技術教育の教育諸条件は、全国水準に比べてかなり低位に

 あり、進歩する科学技術に応じた教育諸条件の整備も必要である。本県産業の発展や科学技術時

 代にふさわしい本県社会の近代化実現に必要にしてじゅうぶんな教育諸条件の整備に努力する必

 要がある。

6  科学技術の進歩に応じた人間自身の発達を推進しなければ、機械文明によって人間疎外を生

 み、所得の上昇と消費の増大は、生産への創造的な主体的参加を阻害しかねない。生命と人格の

 尊重を基盤とした健全な心身の育成ならびに勤労精神と責任観念、協同的な態度の養成や、主体

 的な自己教育態度の養成は、科学技術教育の基底をなすものとして、教育上配慮する必要があ

 る。

  また、はげしく進歩する事態に即して柔軟な態度で対処できる素地としての一般的基礎教養を

 科学技術教育と表裏一体のものとして尊重されなければならない。

第5 豊かな県民性を培う文化の振興の必要

 1  マス・コミの普及は、すべての県民に、一方的に大衆文化を流し、その影響は、まことに大き

  い。とくに、低俗な大衆文化の中で生活し、どぎつい刺激にさらされている青少年にあたえる影

  響は大きく、いわゆる観客病的症状の傾向もある。

   文化は、人がその中に生まれ、その中で育ち、そしてさらに創造していくものとする立場から

  みれば、健全な文化を持つことと、主体的に文化を創造する態度を養成することとが課題となる

  だろうし、マス・コミに対する主体的な態度の養成が必要となろう。

 2  工業化の進行は、人間を孤立化し、心理的不安をもたらし、人間性を失なわせ、いわゆる人間


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