福島県長期総合教育計画41/4-079/330page
疎外を生じさせる。このような状況下にあって、心にやすらぎとうるおいと豊かさをあたえる健
全な文化生活の拡充がきわめて大きな役割をもつことになろう。とくに余暇の増大は、人間らし
い豊かな心情を培い、人間らしい生活を実現する機会として活用する態度の確立によって、文化
活動をすすめるもっともよい機会とするようにつとめる必要があろう。
3 とくに、青少年は、健全でゆたかな文化的環境の中で生活できるよう配慮されなければならな
い。成人の文化に対する構えや文化的施設設備がすぐれていることが必要になるが、本県の文化
水準、文化活動の施設設備など文化的風土は、全国水準にくらべて、かならずしも上位にあると
はいえない。
強力な文化振興策が実現されなければならない。
第6 健全な心身の育成を期する体育スポーツ振興の必要
1 児童生徒の体位、体力から推定すると県民の体位体力水準は、全国水準より低位にある。県民
の食生活、栄養摂取について全国水準とくらべても劣っている。
また、社会の進歩は、県民の日常生活においても産業生活においてもよりすぐれた体位、体力
を必要としている。都市化傾向は、交通事情を一変させているし、伝染病の発生、空気の汚染な
ど健康にひびく公害の増加が見通される。 さらに自然的歩行の激減、緑地の減少、空地、遊び
場、運動場の大巾な減少、河水の汚損による自然プールの使用不能など運動の機会は、極度にす
くなくなり、体力健康の維持向上を阻害している。
医療施設の地域格差は、疾病異常を有する者の治療の機会にも格差を生じている。
2 県勢の発展に寄与する県民の活力となるのは、県民ひとりひとりが、個人または集団で自主的
に、心身の発達や健康を増進することによってえられる。このためには、家庭、学校、地域社会
がそれぞれの特色をいかし、心身ともに健康な生活を実現することを目ざし、ひとりひとりが主
体的に健康生活を維持向上するよう協力することが必要になろう。
また、食生活の改善策も推進される必要があり、さらに、余暇の増大は、スポーツ、レクリエ
ーション参加の機会を増大することになろうが、観客的態度から脱し、自らのスポーツ、自らの
レクリエーションとして、自主的に体位、体力、健康の維持向上と人間疎外を克服し、明朗な、心
情を培う機会とすることが必要になろう。
これに必要な体育施設設備の充足は、全国水準にくらべ低位にある。体育スポーツの施設設備
の整備拡充、とくに、すべての県民が手がるに使用できる施設、設備の拡充が課題となろう。
施設、設備の拡充とともにすぐれたリーダーの確保、体育スポーツの小集団の組織づくりなど
も必要である。
3 交通事故、水難事故、その他の生命にかかる事故、災害を絶滅するために、人間尊重の基本的
な生活態度と事故を防止する知識、技能、道義的態度の養成も必要になる。
4 ひとりひとりの生命の尊重と生命を維持する体位、体力、健康の維持向上が、人間生活の基本