福島県長期総合教育計画41/4-132/330page
・進学組、就職組の編成 ・補習をうけるものとうけないものとの存在
・生徒の負担過重 ・教師の負担過重
・入試科目の偏重 ・入試の学力検査に応じた学習内容方法の偏重
など中学校教育一前期中等教育の人間形成がゆがめられる傾向がつよい。
病弊現象の端的なあらわれは非行問題に象徴されよう。14才の少年で補導をうけたものは14才
人口の15.3%に達し、しかも中流家庭の子弟が増加している。中学校教育にその責があるとは
いえないが、中学校教育の正常化への反省資料とはなろう。
ウ 補習授業についての父兄の意見を上の調査によってみると廃止すべきであるが1、継続すべき
であるが76である。この結果からみて学歴偏重傾向がきわめて強い。教員についてみると、廃止
すべきであるが26であるが、継続すべきであるは25、両方の意見があるが31であり、現実的な父
兄の要求としては、現行のもとではやむを得ず補習授業をやるべきであるとの考えが多いと見ら
れる。入試制度の抜本的な改善によらねば中学校教育の正常化は期しがたい。
工 入試に対する準備として、一部の父兄は家庭教師を雇い、または補習塾を利用している。
この弊害もまた補習授業に匹敵する。むしろ一面においては深刻な社会問題であろう。
入試制度の改善は急を要する問題である。
オ 入試制度は、父兄の理解、中学校の進路指導、高等学校の学科・学校配置と通学区域、中学校
・高等学校の学力水準等総合的な見地から検討する必要がある。
〔施策の目標〕
ア P.T.Aの活動を通じ、学歴偏重の風潮を打破し、個々の生徒の能力、特性を伸長し、人間形
成の重要な時期にある子弟の教育の正常化につとめるよう世論をつくる。
イ 中学校教育の機能を正常に発揮し、能力、特性に即した科学的な進路指導を拡充する。
(「進路指導の充実」の項参照)
ウ 中学校と高等学校との相互連絡を緊密にし、共通目標の実現に協力する体制を実現する。
工 総合的な立場に立って入試制度を改善し、中学校の調査書が中心資料とされ、または、中学校
の推せんが個人の教育の立場からも選抜の方法の立場からも権威あるものとすることを目標とす
る。
〔施策の内容〕
ア 「後期中等教育審議会」を設け、総合的な立場から入試制度の改善策を検討する。
イ P.T.Aの学習内容にとりあげ、能力主義の世論をつくる。
ウ 中学校教育の質的向上と進路指導の拡充をはかる。
(当該項目参照)
エ、中学校と高等学校の継続的、計画的連係組織をつくり、実験的に推進地区を設置する。