第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-003/285page
第1章 計画の基本構想
第1節 計画策定までの経過
県教育委員会は,昭和41年に第1次計画に当たる「福島県長期総合教育計画」を策定し,総合的な
立場から長期にわたる本県教育行政運営の指針とし,また,第1期(昭和43年度〜昭和45年度),第2
期(昭和46年度〜昭和48年度),第3期(昭和49年度〜昭和51年度)の実施計画を策定し,国の文教施
策の方向,本県社会の変ぼうに応じ,教育行政を推進して,本県の教育・文化水準の向上に努めてき
た。
この結果,本県教育・文化は,逐年,量的にも質的にも向上の一途をたどってきているが,現在に
おいてなお検討を要する問題点も少なくない状況にある。
このような状況経過のもとで,「福島県長期総合教育計画」は,昭和51年度をもって終了すること
になり,改めて「第2次福島県長期総合教育計画」を策定することになっていたが, 「福島県長期総
合計画」との関連から新たな長期総合教育計画は,昭和53年度を初年度に,昭和60年度を目標にして
策定することになった。
このため,昭和52年度の教育行政は,昭和52年度から昭和54年度までの3年間にわたる教育行政の
方向を暫定的に定めた「教育行政の暫定見通し」(昭和51年度策定)に基づいて推進することにし,
この「教育行政の暫定見通し」の内容は,「第2次福島県長期総合教育計画」に移入包含するものと
した。
第2節 計画策定の趣旨と計画の性格
社会の急速な進展と県民意識の変化は,就学前教育,学校教育を始めとして,教育・文化に対する
県民の需要を高度化し,多様化する傾向にある。
一方,近年における我が国経済基調の変化は,地方自治体の財政環境をますます厳しくしつつある。
このような状況の中にあって,本県教育・文化の発展を期するためには,従来にも増して一層効率
的,計画的な行財政の運営が必要と考えられる。
効率的,計画的な行財政の運営を図るためには,本県教育・文化の今後における動向を,巨視的に
見通すとともに,微視的に見通すことが重要である。
また,教育行政においては,市町村教育委員会の努力に期待する分野が極めて多いところがら,市
町村教育委員会が適正な行政運営を行えるよう,県教育委員会の教育行政運営の指針を明確に示すこ
とが必要である。
以上の考えに立って,本県教育・文化の現状や問題点を分析し,また,将来の動向を見通し,「第
2次福島県長期総合教育計画」及び「実施計画」を策定するものである。