第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-004/285page
1.第2次福島県長期総合教育計画
本県における教育・文化の現状と問題点を明らかにし,今後における教育・文化の動向の巨視的
な見通しに,国における文教行政施策の当面の方向を考慮しながら,昭和60年代を指向した施策の基本
方向を定め,教育行政運営の指針とするものである。
2.実 施 計 画
本県における教育・文化の動向を微視的に見通し,これをとりまく諸条件の今後の変化に即応す
るためのもので,次の考えに基づいて策定する短期計画である。
〈総合的・体系的施策の推進〉
単に個別的施策の積み上げを図るだけでなく,総合的・体系的な施策・事業の推進が重要である。
〈行財政運営の重点化〉
教育需要の増大に対処するために,施策の緩急序列を判断して重点的な財政運営を図ることが重
要である。
従って,この策定の趣旨に基づき,次のように計画の性格を定めるものである。
(1) 本計画は,県の「福島県長期総合計画」を上位計画とする部門別計画で,県教育委員会の所管
事項に関する計画である。
(2) 本計画は,昭和60年代に向かっての長期の総合教育計画で,県教育委員会の教育行政運営の基
本方向を示すものである。
(3) 本計画は,国に対する要望的,市町村に対する指針ないし調整的,県民に対する理解と協力へ
の期待ないし誘導的な性格も持つものである。
(4) 本計画は,昭和51年度を基準年度として策定するものである。
(5) 本計画を受けて,3か年ごとの「実施計画」を別途策定するものである。
第3節 計画策定に当たっての教育行政の理念とその目標
教育が究極的にめざす目的として,教育基本法第1条は「教育は,人格の完成をめざし,平和的な
国家及び社会の形成者として,真理と正義を愛し,個人の価値をたっとび,勤労と責任を重んじ,自
主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と,規定している。
学校教育法においては,教育基本法の目的をうけて,小学校,中学校,高等学校並びに盲・聾(ろう)・養
護学校及び幼稚園のそれぞれの目的及び目標を掲げ,各学校においては,児童生徒の発達段階に即
応しながら,また,地域の特性を踏まえてそれぞれ具体的な教育目標を設定して,その目標達成に努
力しているところである。
家庭教育,社会教育においても,教育基本法の規定にある「人格の完成」を究極の目的としながら,
家庭教育においては,基本的な生活態度を体得させること,社会教育においては,近代的な国際社会