第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-063/285page
小学校における生徒指導の状況をみると, 「学校経営の中の位置づけ上「教師と児童の
人間関係」,「問題児童の指導体制」は「たいへんよい」,「ややよい」と答えている学校が60
%以上ある。
また,「たいへんよい」,「ややよい」を合わせて40%に満たないのは「生徒指導の研究体制」,
「学年・学級の計画上「調査資料の活用」である。「やや劣る」,「劣る」を合わせて10%以上にな
っている内容は,「調査資料の活用」,「生徒指導個票等の記載」である(図2−2−31)。
「普通」と答え
た学校が50%以上
の内容は,「生徒指
導の研究体制」,「父
母への啓発と連絡」
小学校における生
徒指導は,生活指
導を中心とした,
非行児対策の指導
はよくなされている
が,生徒指導の
もっている本質的な意義をとらえ,自校の生徒指導上の問題を究明したり,それをもとに生徒指
導の計画をたてて実践するという,生徒指導の体制が確立されているとはいえない。また,生徒指
導は,児童の理解を前提として行われることや,教育活動をより効率あるものにするための機能
をもつということの共通理解が不十分であることがうかがえる。
従って,今後は,学校における生徒指導の研究体制を確立するとともに,生徒指導計画を更に
具体化し,各学年,学級の指導計画などの部門別計画を整備し,計画的な指導活動を進めるよう
に努める。
また,生徒指導の個票等の資料を整備し,それらの記録の累積を総合的に解釈し,児童理解に努
めることが必要である。
図2−2−31 生徒指導内容別達成程度別学校割合
注:1.「義務教育課調査」(昭51)による。
2.学校割合=(各内容別達成程度別校数)÷(調査全校数)×100
(6) 指導体制
教職員の資質向上のための研修は,文部省,県教育委員会主催のものをはじめとして,各種研
究団体のものなど,数多く実施されているが,ここでは,県教育委員会主催の研修に限って,そ
の種類と参加状況をみる。
義務教育課において実施する研修には,小学校教員研修,道徳教育,へき地教育研修,学習指
導法現代化講座がある。
小学校教員研修の種類と参加状況は,表2−2−20に示すとおりであるが,その参加合計人数
の公立小学校本務教員数に占める割合は,昭和50年度において9.3%となっている(「学校統計要
覧」(昭50)より,公立小学校本務教員は8,488人)。