第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-203/285page
伴い,学校環境衛生検査を実施することになるが,それには,日常検査と定期及び臨時検査があ
り,検査項目として照度,騒音,換気,空気,飲料水等15項目がある。
学校環境衛生検査の実施状況をみると,学校間に大きな差があり,日常検査項目のなかでは,
照度,飲料水の検査を実施する学校は,比較的多く,騒音の検査を実施する学校は少ない。
産業,交通の発達に伴い,大気汚染,騒音,悪臭等の公害が社会問題となっている。これらの
公害が学校環境にも影響を及ぼし,児童生徒の健康上,教育上重大な問題となっている。
これまでに,公害防止のため,施設面の防止対策を実施もしくは計画している学校は,小学校
13校,中学校4校,高等学校1校である。
これらの学校に影響を及ぼしている公害の種類は,表4−2−6のとおり,大気汚染及び騒音
であり地域的には,ほとんどいわき地域に集中している。
更に,東北新幹線が開通すれば,沿線500m以内にある学校が,騒音,振動等による被害を受
けるものと予想されるが,その学校数は,小・中・高等学校合わせて26校に及ぶものと推測され
ている。
このように現実に騒音,振動等による被害を受けている地域,あるいは,今後,被害を受ける
と予想される地域の児童生徒の健康を保持するため,国においては,昭和45年度から公害防止の
ための校舎改築等の経費を補助して
いる。本県においても,いわき,郡
山市を中心として環境の改善事業が
行われ,更に昭和48年度から学校環
境緑化を促進するための経費を補助
している。
従って,今後は,公害防止のため
の校舎改築等に係る経費補助の引上
げを国に要望するなど早急に措置を
講ずる必要があろう。
また,学校においては,環境衛生の充実を図る必要があろう。
表4−2−6 公害による学校の被害状況(単位:校)
学校種別/項目 大気汚染 騒 音 悪 臭 左の複合 その他 小学校 5 6 − 2 − 中学校 3 − − 1 − 高等学校 − 1 − − − 計 8 7 − 3 − 注:1.「保健体育課調査」(昭51)による。
2.ここに掲げている学校は,公害防止対策を講じなけれ
ば,児童生徒の健康上,教育上に重大な影響を及ぼすも
のと考えられ,極めて悪条件にあるものである。
2.施策の基本方向
(1) 保健室の保有状況
保健室を保有する分校は,本校と比較すると,かなり少ないが,今後も,多くの分校が保健室
未設置のままで推移するものと想定される。
また,保健室の設備,備品は,小・中学校ともに十分に整備されているとはいえない状況にあ
る。
従って,昭和60年度までには,保健室を保有しない学校の解消を図るよう努めるとともに,学
校の種別,規模等に応じた設備,備品の品目及び数量を整備するよう努める。
(2) 学校環境
学校環境は,大気汚染,騒音等の影響を受け,児童生徒の健康保持増進の上からもまた,学習