第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-243/285page
第2節 文化施設
県内文化施設
1.現状と課題
文化施設は,県民の文化の伝承や発展の場として,県民文化活動の拠点となっている。また,利
用される範囲は,日常生活圏から,全県的なものまであり,更に,機能面では,地域の住民生活に密
着したものから,全県的レベルで文化の伝承や発展に機能するもの,更に,これらの中間的機能を
果たすものがある。
設置目的からすれば,もともと,文化活動を行う場として設置された,文化センターや,文化会
館等と,他の目的で設置されたもので,関連付随して文化活動を行う場となっている。学校,公民
館,福祉会館,コミュニティセンター等がある。また,設置者も国・県・市町村の公共団体が設置
するもののほか,民間団体や個人の設置するものがある。
一般には,舞台設備や固定席を有する文化会館や,博物館,歴史民俗資料館,図書館,公民館が
県民の文化活動の場となっている(図書館,公民館については,第4章社会教育,参照)。
(1) 創造活動発表・参加の場(文化会館等)
文化会館は,舞台芸術の鑑賞の場であり,住民文化活動成果の発表の場となる施設で,多くは
舞台芸術が行えるよう多様な設備を有し,主に,広域市町村圏の範囲での利用が多い。本県にお
ける,昭和51年度の文化会館(ここでは,固定席500以上の市民会館等をいう。)は,県立1,市
立11である。
地域別配置状況は,
いわき地域5館,県北地
域3館と比較的多いが
南会津地域にはなく,
他の地域は各1館となっている(表5−2−1)。これら以外に,地域の文化活動に利用される施
設として市民センター,福祉会館,公会堂,厚生会館等があり,これらも,地域文化行事等の
中核としての機能を果している。
一方,住民が,自ら文化活動のできる身近な施設として公民館やコミュニティセンター等が拠
点となっているが,学校の地域文化活動への開放は,一部を除き,行われていない。
また,本格的な展示機能をもつ施設は,現在,県文化センターと,いわき市文化センターの2
か所のほかはなく,県民の美術等鑑賞,発表の場は,十分ではない。
更に,文化会館は,機能上,優れた芸術を公演・発表できる場として期待されるが,既存施設
では,一部を除き,舞台の広さ,舞台装置,音響設備,照明設備及び冷暖房・空調設備が十分で
ないものがある。
従って,今後は,これら文化会館等創造活動発表・参加の場について,既存施設の活用や整備
を促進するとともに,地域的な適正配置を考慮して,整備を図る必要があろう。
表5−2−1 文化会館の地域別配置状況(単位:館)
設置者/地域 県北 県中 県南 会津 南会津 相双 いわき 計 県 1 − − − − − − 1 市町村 2 1 1 1 − 1 5 11 計 3 1 1 1 − 1 5 12 注:「文化課調査」(昭51)による。
(2) 文化財等保存・公開の場(博物館等)