第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-257/285page
(図5−3−2)。
この埋蔵文化財発掘調査件数のうち,東北縦貫自動車道建設に係る発掘件数は,昭和44年度か
ら昭和48年度までの5年間で,51件に及
んでおり,東牝新幹線建設に係る埋蔵文
化財調査件数は,昭和48年度から昭和
51年度までの4年間に33件に達してお
り,今後も継続調査が必要である(表
5−3−20)。
また,今後開発が予定されている地
域としては,相馬地域の総合開発,母
畑地域のほ場整備事業,矢吹地域の庶
場整備事業等があり,大規模開発に伴
う埋蔵文化財分布調査及び発掘調査が
予定されている。
このように県土開発に伴い,埋蔵文
化財包蔵地の発掘調査面積は,年々増
加の一途をたどり,本来の学術調査中
心から開発に対応して記録保存するた
めの発撮調査中心へと移行している。
そのため,経費負担,調査員不足等に悩まされ,限られた専門家が各方面からの調査依頼に応じ
切れないのが現状である。また,出土品も発掘後,未整理のまま累積している市町村が少なくない。
従って,今後は,以上の調査をより正確なものに整備するとともに,将来の保存,管理,活用
を考慮して,調査体制の確立を推進する必要があろう。また,発掘調査に必要な人員の確保を図
る必要があろう。
図5−3−2 埋蔵文化財発掘届件数の推移
注:1.「文化課調査」(昭51)による。
2.この件数は,文代財保護法による届出数
表5−3−20 東牝縦貫自動車道及び東北新幹線開通(単位:件)
区分/年度 44 45 46 47 48 49 50 51 東北縦貫自動車道 13 12 12 11 3 − − − 東 北 新 幹 線 − − − − − 8 8 5 に伴う埋蔵文化財発掘調査件数の推移
注:「文化課調査」(昭51)による。
2.施策の基本方向
(1) 文化財の防災
指定建造物については,保存のため消防設備,警報設備等を計画的に整備し,文化財の保存・
管理に努める。また,防災設備の整備の遅れている美術工芸品については,防災設備の整備を促
進する。
更に,文化財保護の万全を期するためには,防火設備の整備とともに,防火に対する啓蒙を図
る。
(2) 文化財保存助成
国指定文化財の国庫補助事業に対し,県,市町村では,補助を行っているが,社寺等において
は,経費負担のため一般寄付による場合もみられるので,高率補助を図るように努める。また,
文化財の補助事業は,年々その需要が増大しているので,市町村においても財政的考慮をしなが
ら計画を策定する必要があり,その助成について,県指定文化財の保存助成の充実を図りながら