第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-005/181page
する実施計画に基づいて「未来をひらく県民のための生涯教育」を推進している。また,昭和56年の中央教育審議会の答申「生涯教育について」の趣旨を踏まえ,家庭,学校,地域社会の教育機能の向上に努めている。しかしながら,本県における生涯にわたる学習機会の拡充,学習情報提供・学習相談及び生涯教育関係機関の連携・協力など生涯教育推進体制は必ずしも十分とは言えず,県民の多様で高度な学習要求を満たすには至っていない。
今後は,生涯教育の一層の充実を図るため,生涯教育推進体制の整備に努めるとともに,家庭,学校,地域社会などの教育機能の総合的な整備充実に努める必要がある。さらに,生涯教育推進の拠点としての生涯教育センターの設置について検討する必要がある。
2 学校教育
今日,科学技術の著しい発達に伴う社会の情報化,国際化などの進展,あるいは家庭における核家族化等,学校教育を取り巻く環境に様々な変化が生じている。
こうした中で,後期中等教育等がますます普及し教育の量的拡大が進んでいるが,反面,学校生活に適応できないで非行等の問題行動に走る児童生徒が増加している。
学校教育は,このような状況に適切に対応し,児童生徒のもつ可能性の開発,自主性や創造性の育成を図るとともに,21世紀を担うたくましい人間の育成に努めることが求められている。
このため,生涯教育の観点から,公・私立を問わず,学校教育の役割を見据え,小・中・高等学校の一貫性を保ちながら,一人一人の児童生徒の能力・適性等に応じた,多様で弾力的な教育活動を展開し,知育・徳育・体育の調和のとれた教育を更に推進する必要がある。
(1) 幼稚園教育
幼児教育は,人間形成の基盤として,人間の一生に対して重大な影響を及ぼすものであり,これを担当する教育機関として幼稚園が位置付けられているが,現実的には保育所もその目的・機能を異にしながらも,幼児教育という共通の機能を果たしている。
本県の幼児教育の現状を見ると,幼稚園の就園率は各歳児とも緩慢ではあるが徐々に上昇しており,特に,昭和58年度の5歳児で76.4%と全国平均を上回っている。しかし,幼稚園の新増設は,県北・県中地域を除いて,昭和50年度以降ほとんど進まず,就園率の地域間格差が目立っているが,就園率の低い地域では保育所在籍率が高い状況にある。
このような中で,幼稚園については,就園率の向上とその地域間格差の解消に努めるとともに,教育課程の改善充実,教職員の資質の向上,教育諸条件の整備充実等の諸施策の推進を図っている。
今後は,就園要求の動向など地域の実態,市町村の財政事情及び国の財政援助措置等を勘案しながら,幼稚園の新増設について検討することが望まれる。さらに,幼稚園の実態や園児の