第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-052/181page
本的事項の一層の定着を図るよう,体験的な学習や一斉指導の中での習熟度に応じた指導及びチームティーチングの導入,教育機器の利用の拡大,学校図書館の機能の拡充等,生徒の能力・適性に応じた指導方法の多様化に努める必要がある。
3) 評価
近年,評価に対する関心が高まってきているが,評価を校内研修の主題として位置付けて研修している学校は,244校中8校である(「義務教育課調査」昭58)。
また,指導訪問や各種研究協議会等から見ると,評定や進路選択を目的とした総括的評価に偏っている場合がまだ見られ,形成的評価(学習過程における評価)がまだ不十分である。さらに,評価が,知識・理解面に偏る傾向があり,創造性や情意面の評価,特に学習意欲を高めるための評価の生かし方の工夫が不十分である。
したがって,今後は,目標分析の研究を進め,情意面も含めて達成目標を具体的に設定するとともに,形成的評価の方法とフィードバックの手だてを工夫して,学習事項の確実な定着を図るよう努める必要がある。また,評価結果を指導計画や指導方法の改善に生かすとともに,生徒の学習意欲の向上に努める必要がある。
(4) 進路指導
進路指導は,一入一入の生徒の生き方や,入生設計を目指すものであるが,進学先や就職先等の進路決定指導に偏る傾向が見られる。「県内中・高校生の生活と意識に関する調査報告書」から見ると,高校に進学した理由のうち,「なんとなく」が24.0%,「両親のすすめ」が2・6%あり,積極的な自分の意志によらないものが多い(図2-3-6)。
また,高校に進学してからも,「中卒で就職した方がよい」が7.4%,高校生活に「意義を見いだせない」が19.3%であり,進路に不安と迷いをもつ生徒が見られる(図2-3-7)。
図2-3-6 高校に進学した理由
注:1.「県内中・高校生の生活と意識に関する調査報告書」(福島県生活福祉部,昭58)による。
2.調査対象は,県内の高校生男子480人,女子498人計978人である。
図2-3-7 高校生活への感想
注:1.「県内中・高校生の生活と意識に関する調査報告書」(福島県生活福祉部,昭58)による。
2.調査対象は,県内の高校生男子480人,女子98入計978人である。
一方,昭和58年度に実施した「生徒指導充実のための学校運営点検」結果から見ると,進路