第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-053/181page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

指導が組織的,計画的に行われているかについて良いと答えた学校は49.4%にとどまっている(「義務教育課調査」昭58)。

これらのことから,各中学校においては,生徒の能力・適性に応じて自主的に進路を選択する態度を育てる進路指導が,十分機能していないことがわかる。また,望ましい人生観・職業観の確立のための指導も十分であるとは言えない。

したがって,今後は,進路指導のねらいを十分踏まえ,高等学校及び関係機関との連携を密にし,卒業学年のみでなく,全学年を通して組織的,計画的に指導するよう努める必要がある。


第3項 生徒指導

(1) 指導体制

 中学校における生徒指導のねらいは,すべての生徒のよりよい成長,発達を目指し,望ましい自己実現へ向けての資質・能力を高めようとするものであり,学業指導をはじめとし,学校教育活動すべての中で進めるべきものである。

一方,近年,社会の都市化や過疎化の進行に伴う地域社会の教育機能の低下,あるいは,核家族化や少子化の傾向などに伴う家庭の教育機能の低下等により,生徒の基本的行動様式が身に付かず,様々な問題が生じている。特に,非行等問題行動は,年々増加の傾向にあり,昭和58年度における全刑法犯少年の中で,中学生の占める割合は41.1%となっている(図2-3-8)。

図2-3-8 学識別刑法犯少年の割合
図2-3-8 学識別刑法犯少年の割合

注:1.「少年を非行から守るために」(福島県警察本部,昭58)による。
  2.割合=(学職別刑法犯少年数)÷(刑法犯少年数)×100


これらの問題に対応するため,各学校における生徒指導体制の一層の充実が求められている。昭和58年度に実施した「生徒指導充実のための学校運営点検」結果から,中学校における生徒指導体制を見ると,「生徒指導組織の校務分掌への位置付け」や「非常事態発生時の校内連絡体制」が良いと答えた学校は,それぞれ89.0%,88.6%であり,生徒指導の方針について「全教職員の共通理解」が良く得られていると答えた学校は72.2%となっている。

しかし,一人一人の生徒を理解し,その発達段階を的確にとらえるための「教育相談機能の適切性」については,良いと答えた学校が26.0%,「生徒指導資料の有効な活用」については26.1%といずれも低くなっている。また,生徒の問題行動の多様化に適切に対応するための「校内研修の適切性」については,良いと答えた学校が39.6%となっている(図2-3-9)。

このことから,生徒指導は,教職員の共通理解の下に学校経営の中で正しく受け止められ,適切に位置付けられていると言えるが,教育相談は,小学校に比べれば充実しているものの必


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。