第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-054/181page

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ずしも適切に実施されているとは言えない。したがって,今後は,一人一人の生徒の理解を深めるための教育相談の充実を図るとともに,教育相談の技術を高めるなど教職員研修を充実し,全教職員の共通理解の下に生徒指導が行われるよう指導体制の充実に努める必要がある。

図2-3-9 生徒指導充実のための学校運営点検結果

一生徒指導体制について「良い」と答えた学校の割合一
図2-3-9 生徒指導充実のための学校運営点検結果
注:1.「義務教育課調査」(昭58)による。
  2.割合=(「良い」と答えた学校数)÷(中学校総数)×100


(2) 指導内容

 最近,生徒の基本的生活習慣の欠如が指摘されており,家庭における親のしつけや学校における徳育の在り方が課題となっている。そのため,一人一人の発達段階と特性を踏まえての学業指導の充実をはじめ,学校生活における人間関係の改善や集団生活への適応指導等が一層必要となっている。特に,道徳的実践力の育成をねらいとする道徳教育は,より一層の充実が求められている。「生徒指導充実のための学校運営点検」結果から,道徳教育について見ると「道徳の時間の時数の確保」については87.2%の学校が適切に確保しているが,「道徳の指導方法,資料選択の工夫」が良いと答えた学校は13.5%,「学校教育全体で進める道徳教育」が良いと答えた学校は40.8%にすぎない(図2-3-10)。このことは,道徳教育が,学校教育活動のすべての場で十分機能し,成果をあげるまでには至っていないことを示している。

したがって,今後は,道徳教育と生徒指導の有機的関連を図り,基本的生活習慣のしつけ及び自律的に生活する態度の育成に努める必要がある。

図2-3-l0 生徒指導充実のための学校運営点検結果

一道徳,進路指導について「良い」と答えた学校の割合一
図2-3-l0 生徒指導充実のための学校運営点検結果
注:1.「義務教育課調査」(昭58)による。
  2.割合=(「良い」と答えた学校数)÷(中学校総数)×100


(3)家庭,地域社会,関係機関との連携

 近年,急激に変化する社会にあって,家庭や地域社会のもつ教育機能の低下,特に親の養育態度の問題が指摘されており,青少年の健全育成のために家庭への働きかけの必要性が叫ばれている。そのために,昭和56年度から親のための資料「すこやかな成長をねがって」を作成し,中学生をもつ全家庭に配布するなどして,その啓発に努めている。

また,近年,生徒の問題行動が多様化し,広域化の傾向が見られ,学校だけでは対応が困難であるので,学校と地域社会,関係機関との連携がますます重要となっている。「生徒指導充実のための学校運営点検」結果から見ると「家庭との連携・協力の方法」及び「PTAとの機能的連携」については,良いと答えた学校がそれぞれ75.9%,68・8%と比較的高く,これは,保護者と学校が一体となって生徒指導を進めようと努力している現れと言える。



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