第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-089/181page
盲・聾学校と病弱養護学校は,児童生徒数の動向から見て,今後増設の必要がないものと考えられる。精神薄弱養護学校(通学制)の適正配置と高等部の設置については,昭和58年度に県後期中等教育審議会に諮問し,その答申に基づいて検討を進めている。肢体不自由養護学校については,高等部の増設が求められており,その検討を進めている。したがって,今後は,通学可能な中・軽度の精神薄弱者を対象とする精神薄弱養護学校(通学制)の適正配置と高等部の設置や肢体不自由養護学校の高等部の増設について,更に検討を加え,設置を推進する必要がある。
2)特殊学級の配置
昭和51年度から昭和58年度までの特殊学級数の推移を見ると,適正就学の推進により,精神薄弱学級数は減少の傾向を続けてきたが,昭和57年度からほぼ横ばいの傾向にある。病弱・難聴等その他の学級も,ほぼ横ばいの傾向を示している(図2-5-3)。しかし,小学校の言語障害,情緒障害学級は,わずかながら増加の傾向が見られる。したがって,今後は,就学指導機関と一層緊密な連携を保ちながら,対象児及び地域の実態に応じて特殊学級のより適正な配置を図る必要がある。
図2-5-3 小・中学校特殊学級数の推移
注:1.「学校統計要覧」(昭51〜昭58〕による。
2.その他は,弱視,難聴,言語障害,病弱・身体虚弱,情緒障害の合計である。
(4) 訪問教育
訪問教育は,昭和49年度から対象児の各家庭を訪問して実施するとともに,昭和56年度からは,県立医科大学附属病院に長期入院の者も対象として実施するなどその充実を図ってきたが,児童生徒数は,昭和54年度以降ほぼ横ばいの傾向を示している(表2-5-9)。また,訪問教育の拡充により,心身の障害による就学猶予者及び免除者は激減している(表2-5-10)。
表2-5-9 訪問教育児童生徒数及び学級数(単位:人,学級)
項目 年度 51 52 53 54 55 56 57 58 児童生徒数 40 52 72 107 109 105 112 125 学級数 10 13 18 25 29 33 33 33 注:「養護教育課調査」(昭51〜昭58)による。
表2-5-10 就学義務の猶予者数及び免除者数(単位:人)
項目 年度 51 52 53 54 55 56 57 58 猶予者数 132 84 68 47 37 34 23 14 免除者数 89 70 45 11 7 4 3 5 注:「養護教育課調査」(昭51〜昭58)による。
今後とも,訪問教育の在り方の検討を行い,可能な限り就学猶予考及び免除者の解消に努める必要がある。