第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度〜昭和70年度)-133/181page

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社会教育課(係)又は公民館において担当している状況にある。

したがって,今後とも,市町村の文化財保護体制の充実を図るため,行政組織の整備充実,職員の資質の向上などに努める必要がある。


第2項 文化財の保存

(1) 文化財保存調査

 文化財を保存するためには,あらかじめ県内に存在する文化財の分布・保存状況,さらには歴史的,学術的価値等について調査し,その実態を把握することが重要である。

そのため,毎年,計画的に基礎調査及び緊急調査を実施し,その結果を報告書として刊行している(表4-2-2)。これらの調査結果は,国及び県の文化財指定のための基礎資料等として活用されている。

したがって,今後とも,計画的な文化財保存調査に努める必要がある。

表4-2-2 文化財保存調査の実施状況

調査年度 調査名
51 基礎調査(絵馬)
52〜53 基礎調査(祭礼)
53 民家緊急調査(第2次)
53〜54 古文書所在確認調査
53〜54 民俗文化財調査(分布調査)
54 特別天然記念物カモシカ調査
54 基礎調査(工芸技術)
54〜55 民謡緊急調査
55 近世社寺建築緊急調査
55〜57 古文書緊急調査
55〜57 基礎調査(工芸品)
55〜57 基礎調査(年中行事)
56〜58 各地方言収集緊急調査
57 特別天然記念物カモシカ緊急調査
57〜59 歴史の道保存調査
58〜59 民俗文化財調査(猪苗代湖周辺)
58〜60 基礎調査(昔話・伝説)

注:「文化課調査」(昭58)による。


(2) 文化財の指定

 歴史的,学術的な価値をもつ文化財は数多く存在するが,その中から重要なものを選び,国,県及び市町村がそれぞれ指定し,その保存に努めている。

昭和58年度における文化財の国,県及び市町村の指定件数は総計1,797件である(表4-2-3)。昭和51年度の国指定128件,県指定252件,市町村指定903件と比較すると,それぞれ1.1倍,1.3倍,1.5倍の増加となっている。

次に,文化財の種別ごとに見ると,有形文化財のうち,建造物については,地域開発の進展や生活様式の変化に伴って,文化財として価値のある建物が姿を消しつつあり,特に,明治洋風建築はそのほとんどが市街地にあるため,都市の再開発等に伴って,改築・取壊しが進行している。また,美術工芸品については,絵画,漆器,陶磁器等の分野の指定が遅れている状況にある。

有形民俗文化財は,生活様式の変化や農作業の機械化などによって,急速に失われつつある。無形民俗文化財は,いわゆる民間信仰に負うところが多かったが,今日,生活様式の変化等により,その基盤が失われつつあるため,保存・伝承に多くの困難が生じている。史跡・名勝・天然記念物については,近年,大規模な開発の進展に伴い,破壊の危険性も生


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