第3次福島県長期総合教育計画(昭和60年度~昭和70年度)-135/181page
したがって,今後とも,関係機関との連携を密にし,埋蔵文化財の保存に努める必要がある。
(4) 文化財防災設備等
文化財の保存対策として,文化財の所有者又は管理団体に対して補助金を交付し,各種の防災設備,保存施設等の設置を図るとともに,随時パトロール等を行い,防火,盗難予防等に努めている。
しかしながら,指定建造物等の防災設備は,昭和59年度において56件の対象のうち,自動火災報知設備,消火設備及び避雷針の3種を備えているものが16件であり,その整備は十分とは言えない(表4-2-6)。
表4-2-6 指定建造物等の防災設備状況 (単位:件)
区 分 対象数 設備 自動火災
報知設備消火設備 避雷針 左の3種の
防災設備を
備えているもの国宝・重要文化財 28 23 19 14 13 有形民俗文化財 2 2 1 2 1 県重要文化財 26 15 14 4 2 計 56 40 34 20 16
注:1.「文化課調査」(昭59)による。
2.対象数には,石造のものを含まない。
3.消火設備の件数には,消火器を備えているものを含まない。
表4-2-7 指定美術工芸品等の防災・防犯設備状況 (単位:件)
区 分 対象数 設備 自動火災報知設備 消火設備 左の2種の防
災設備を備えているもの防災ベル 施錠 左の2種の防
犯設備を備えているもの避雷針 国宝・重要文化財 44 17 30 16 7 41 7 18 有形民俗文化財 3 2 3 2 1 3 1 2 県重要文化財 159 35 112 35 27 133 26 27 県有形民俗文化財 23 8 17 8 4 21 4 3 計 229 62 162 61 39 198 38 50
注:1.「文化課調査」(昭59)による。
2.対象数には,国立博物館等において保管中のものを含まない。
また,指定美術工芸品等については,特に県指定重要文化財の防災・防犯設備の整備が遅れており,その保管状況は,寺社の本堂・本殿等に保管されているものが多い(表4-2-7,表4-2-8)。
したがって,今後は,防災設備,保存施設等の整備を図るとともに,日常的管理の強化に努める必要がある。
表4-2-8 指定美術工芸品等の保管状況 (単位:件)
区 分 保管施設 耐火収蔵施設 保 管 庫 土蔵 本堂本殿等 資料館等 対象数 木製 耐火 国宝・重要文化財 44 17 2 5 5 14 1 有形民俗文化財 3 0 0 0 0 1 2 県重要文化財 159 3 7 23 16 94 16 県有形民俗文化財 23 0 0 1 3 8 11 計 229 20 9 29 24 117 30
注:1.「文化課調査」(昭59)による。
2.対象数には,国立博物館等において保管中のものを含まない。
(5) 文化財保存助成
文化財の管理,修理,防災及び復旧のための経費は,所有者や管理団体が負担することとなっている。しかしながら,保存修理等には多額の経費を要するので,国及び県指定文化財の保存事業に対し,国及び県は助成を行っており,また,埋蔵文化財保存調査事業に対しても同様に助成を行っている(表4-2-9)。
県指定文化財については,昭和55年度から補助率を2分の1から3分の2以内(市町村所有については2分の1)に引き上げるなど,保存助成の充実に努めている。
近年,文化財の修理,防災のほか,史跡の公有化,さらには埋蔵文化財保存調査事業に対す