第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-002/136page

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4 計画策定に当たっての全体視点

 第3次福島県長期総合教育計画は,情報化や国際化の進展,社会の成熟化等による県民の多様で高度な

学習需要の高まりなどの社会の変化を見据えるとともに,臨時教育審議会の審議経過を考慮しながら策定

されたものです。

 しかしながら,計画の策定後,臨時教育審議会は,昭和60年6月の第一次答申から第四次に至る答申の取

りまとめを行い,基本理念として,1)生涯学習体系への移行,2)個性重視,3)情報化,国際化などの変化への

対応を教育改策の三原則として示すとともに,改革方策の提言を行いました。これを受けて,国では,閣議決

定による教育改革推進大綱に基づき,教育改革のための諸施策の総合的かつ積極的な推進に努めています。

本県でも,これら国の文教施策の動きに配慮しながら,教育の究極の目的である人格の完成と社会の変化に

対応できる有為な人間の育成を目指す学校教育の充実をはじめとする教育行政の諸施策の推進に努めてき

たところです。しかしながら,今日の世界は,歴史的にも大きな変動期を迎えており,我が国社会も,今後,時

代の大きなうねりの中で更に急速な変化を遂げていくことが予想されることから,このような社会の変化

に適切に対応しながら,21世紀に向けて,明るく,人間性豊かで,潤いと活力ある社会を形成するには,

明日を担う児童生徒の心身の健全な育成と社会の変化に主体的に対応し,その発展を担うことができる能

力の育成及び県民の多様で高度な学習需要に応える生涯学習の振興や文化・スポーツの振興を図ることが,

教育行政のこれからの課題であり,更に広範多岐にわたる施策の展開とその充実が望まれています。

 したがって,これらの課題に対応し,21世紀を指向した本県教育の一層の充実と発展を図るため,次の

全体的な視点に立って,「第4次福島県長期総合教育計画」を策定するものです。


(1) ふれあいと生きがいに満ちた生涯学習の振興

 高齢化,高学歴化の進行,所得水準の向上や自由時間の増大などによる社会の成熟化に伴い,文化活動

やスポーツ活動等に人生の充実感を求める傾向や科学技術の高度化,情報化,国際化の進展等による社会

の変化に対応した新たな知識や技術の習得を目指す県民の学習意欲も年々高まりをみせています。このよ

うに,生涯にわたって学習する機会がひろく求められてきている現状を考慮し,国では,平成2年1月の

中央教育審議会による「生涯学習の基盤整備について」の答申の趣旨を踏まえ,国民の生涯にわたる学習

が円滑に行われるよう必要な措置を定めることを目的とした「生涯学習の振興のための施策の推進体制等

の整備に関する法律」,いわゆる生涯学習振興法を平成2年6月に制定しました。

 本県でも,これまで,生涯学習の普及・振興を図るため,福島県生涯教育推進本部(平成3年11月「福

島県生涯学習推進本部」に改組)を設置し,生涯学習推進体制の整備に努めるとともに,青少年・成人・

高齢者を対象とした学習機会の拡充などに努めてきました。また,県の各部局・市町村等で実施している

生涯学習関連事業に関する情報の収集・提供を行うなど,生涯学習の普及・啓発にも努めてきました。県

民の学習に対する要求は,今後,一層多様化,高度化していくことが予想されることから,生涯学習振興

法の理念に従い,学校教育や社会教育,家庭教育及び文化・スポーツ活動を総合的に推進する視点に立つ

とともに,大学等との積極的な連携を通して,学習機会を整備,再編,拡充するなど,生涯学習体系への

本格的な移行に対応した総合的な振興体制の整備を図り,生涯学習振興のための基盤づくりをより一層推

進していくことが望まれています。

 また,これからの社会の担い手となる子どもたちが,地域社会において主体的,積極的に活動していく


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