第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-003/136page
ことができるよう,学校外活動の充実を目指した諸条件の整備が学校週5日制への対応とも相まって重要
な課題となっています。
したがって,生涯学習振興のための施策が県の各部局・市町村,その他関係機関・団体との連携・協力
のもとに,一体的かつ効果的に推進される組織体制の整備を図るとともに,生涯学習を支援する中心的な
役割を担う施設の整備が必要です。また,地域の学習拠点としての役割が期待されている市町村の生涯学
習施設の整備を促進し,住民の学習要求に的確に応えられるよう,公民館や図書館等の生涯学習関連施設
のインテリジェント化や施設間のネットワーク化を促進するとともに,生涯学習情報提供システムを整備
しその充実を図るなど,学習環境の整備に努める必要があります。さらに,関係職員や指導者の確保と資
質の向上,学習相談体制の充実など,生涯学習を支援する体制の整備・強化を図るとともに,学習の成果
が適切に評価され,活用されるよう諸条件の整備に努める必要があります。
次に,地域社会において子どもたちが自然体験や生活体験を通じてのびのびと自発的に活動することの
できる機会の拡充が図れるよう,学校週5日制に対する今後の動向等も踏まえながら,社会教育施設の整
備充実やその活用の促進に努めるとともに,子どもたちの健全育成のための環境の整備や地域の教育力の
充実を図る施策の推進が必要です。
(2) 21世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒の育成
ア 豊かな心と創造性をはぐくむ学校教育の充実
最近における出生率の低下等による少子化と高齢化の傾向及び県土の発展に伴う都市化の進行等に
よる教育環境の変化は,児童生徒の健やかな成長を阻害する要因をも生じさせており,学校生活への
不適応による児童生徒の登校拒否や高等学校生徒の中途退学に関する問題など,憂慮すべき問題行動
の発生をみています。今後,更に,児童生徒を取り巻く環境の変化が予測されることから,現在の児
童生徒の実態を的確にとらえるとともに,これからの教育環境の変化を十分に見極めながら,21世紀
を担う児童生徒が豊かな心を持ち,たくましく生きる人間として成長できるよう,心身の健全な育成
を目指した教育行政の積極的な推進を図ることが,最も優先すべき課題といえます。さらに,児童生
徒が社会の変化に主体的に対応し,その社会の発展を担うことができるよう,必要な資質の育成に努
めることは,今後の教育の重要な課題となります。
したがって,児童生徒の心身の健やかな成長をはぐくむため,児童生徒の抱える不安や悩み等に適
切に対応し,児童生徒一人ひとりの適応を高める教育相談体制や今後の社会に主体的に生きる人間の
在り方生き方を探求させる心の教育の充実を図るとともに,たくましい体を育てる健康教育・学校体
育の充実が必要です。また,学校と家庭や地域との連携を深め,児童生徒を取り巻くよりよい教育環
境づくりを推進する必要があります。次に,21世紀の社会が多様な可能性を秘めた明るく豊かな社会
となるよう,その担い手となる児童生徒に必要な能力を育成するため,児童生徒の個性を生かし,創
造性をはぐくむ教育の推進や新しい学力観に立った教育内容・方法の改善充実が必要です。
イ 社会の変化に対応した学校教育の充実
近年の人口構造は,高齢者人口の増加だけでなく,年少人口の減少等,著しく変化してきています。
年少人口のうち,特に児童生徒数について中学校卒業見込み者数を例にみると,本県では,平成元年
度をピークにして,その後,減少期を迎え,平成12年度には,ピーク時の約18%の減少が予測される
ことから,児童生徒の減少期に対応した学校教育の在り方について検討し,併せて,教育の質的水準